記憶術/記憶術の例

300超の資格持つ試験勉強の達人の記憶術(後編)(2ページ目)

毎週のように検定・資格試験を受け、300を超える検定・資格を持つオールアバウト「資格」ガイドの鈴木秀明さん。その記憶の秘訣を明らかにしていく2回シリーズの後編です。前編では試験勉強をゲーム攻略になぞらえて取り組むといった、鈴木さん独特の「戦略」的勉強法・記憶術が語られました。さて、今回はどんな秘訣が飛び出すのでしょうか?

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド


自分の成功・失敗パターンを知る

『驚異の「合格」勉強術』

勉強法の常識を揺るがす勉強本

鈴木:またゲームにたとえさせてもらうと、ゲームでは敵を倒す戦術を練るにあたって、自分がいま使える魔法やアイテムにはどんなものがあるかを把握・理解しておくことは必須じゃないですか。それと同じです。

たとえば、自分はどんなとき、どんな状況なら、より勉強できるのか? 失敗するときの原因としてはどのようなものがあるか? など、いわば自分の成功・失敗パターンを知るということですね。「就活」で言えば自己分析をすることです。

効率的な勉強法を探す人がいますが、まずやるべきは、自己分析をして自分の軸を定めること。そして、自分にうまくはまる形で、いろいろな勉強法のやり方を自分にはめ込んでいく。そうしないと振り回されるばかりです。

――私は記憶術をはじめ、勉強法を伝えている立場なので耳が痛いですが、まずは自分自身の勝ち・負けパターンを知り、そこにうまく勉強法を活用するということなんですね。

鈴木:そうです。自分以外の周りの力を活用することも非常に大事です。家族の協力を仰いだり、塾や予備校などを利用して勉強できる環境を整えるのも一つでしょう。


ゲームを利用して勉強する

――鈴木さんが使っている具体的な記憶術はありますか?

鈴木:「単純接触の法則」ってご存知ですか? これは「単純に目にする回数が多いというだけで、その対象への好感度が上がったり、記憶に残りやすくなる」という効果です。これは使いますね。

――それはつまり、繰り返すということですか?

鈴木:それもありますが、とにかく自分が好きでよくやるものを使って、この「単純接触の法則」を利用するんです。

たとえば、私はゲームが好きなので、覚えたい専門用語や固有名詞を、ゲームに登場するキャラクターなどの名前に設定してしまいます。そうすると、ゲームをプレイするたびに、その名前が絶えず目に飛び込んできますから、記憶に残りやすくなるというわけです。

――普通であれば、「ゲームはやめて勉強しよう」となりますが、「ゲーム自体を利用して勉強してしまおう」というわけですね。

鈴木:試験自体も「相手と駆け引きをするゲーム」ととらえることができます。「おそらく、テキストのここの記述を変えて、試験にひっかけで出そうだなあ」というように、試験作成者の立場で予測しながら読むわけです。

こうすると、試験勉強自体が1つの大きなゲームに思えてきて面白いですよ。

――「試験勉強=ゲーム」ですか……楽しそうですね。

鈴木:楽しくしてしまえばいいんです。変化をつけるのもいいですよ。たとえば、ゲームではイベントが起こるのがつきものですが、単調になりがちな試験勉強にもイベント性をつけていくのです。

――たとえば……?

鈴木:私は曜日ごとに「過去問デー」や「テキスト熟読デー」など、その曜日はこれをやると決めて勉強したりします。すると単調さがなくなって、楽しくなりますよ。

――これなら、楽しみながら勉強できますね。

鈴木:ただ、お話してきた記憶術は、あくまでゲーム好きな私にとって楽しい方法ですから、これにとらわれる必要はありません。大事なことは、自分に合った記憶術を見つけることです。

先ほど、自己理解の大事さをお伝えしましたが、最適な方法は自己と試験(攻略対象)との2軸で考えてみて初めてわかるものです。

ぜひ、読者の方それぞれがご自身に合った記憶術を見つけ出してもらいたいですね。

――どうもありがとうございました。

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さて、“資格マニア”鈴木秀明さんの記憶術はいかがだったでしょう? 「まず、記憶することを減らす」や「記憶は忘れるのが当たり前」といった大原則を柱に、好きなゲームをうまく活用して鈴木さん独自の方法を生み出されていましたね。ぜひ、こういった大原則を踏まえつつ、あなたなりの記憶術を生み出していってください。
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