ウブドで暮らす日本人女性がプロデュースする「クンチ」
店の名前の「クンチ」はかぎ針編みの「カギ」のインドネシア語です
ウブドのハヌマン通りにある「クンチ」というかぎ針編み専門の雑貨店を紹介します。店に入るなり「カワイイ~」を連発してしまいました。ほっこりとした形状、やさしい色使い。手作りの温かみがじんわりと伝って来ます。思わず手に取ってほおずりしたくなるような愛おしさ。バッグやポーチ、室内履きや赤ちゃん用のベビーシューズなど、自分で使いたいと思う一方、大切な誰かにプレゼントしたくなるような品揃えです。
デウィシッタ通りの三叉路からハヌマン通りを進行方向に進んで、約50メートル右側にあります
クンチのあるウブドのハヌマン通りは、モンキーフォレスト通りやデウィシッタ通りとつながるウブドのお土産店が並ぶショッピングストリートとして観光客の客足が絶えない地域です。ウブドのショッピングストリートは歩いて散策するのがおすすめ。車だと見逃してしまいそうな小さな店先です。
ひと目、ひと目をかぎ針で編み進めていくために大量生産ができません。とても時間がかかる作業です。
クンチは2003年にバリ島ウブドでスタートしました。クンチの商品は全て手で編まれたもの。熟練した職人さんは目を見張るほどのスピートで編み上げていきますが、それでも丸1日はかかってポーチが1つできあがるくらいの速度です。バッグ類になると形状を編むだけで5日間もかかるのだとか……。手仕事だからこそ表現できる優しい手触り。時間と手間をかけた手編みのニット商品は一目見て私も魅了されてしまいました。
ベビーシューズは日本円で約1500円、その後ろのポーチは約1800円です。ポーチを持ったら手放せなくなり思わず購入...
クンチの商品を手作業で編んでいるのは、ウブド在住の地元バリ人女性の職人達。器用に手を動かしつつ、おしゃべりをしながら楽しそうに作業をする仕事風景。その傍らでは子供達が元気に遊んでいます。そんなノンビリした時間から生まれる商品だからこそ、仕上がりに温かさが出るのかもしれません。けっして急がない、無理しない、バリ島時間のなせる技なのです。
オーナーは日本人女性!
すべての色をコレクションしてしまいたくなるポーチは日本円で約1650円
オーナーのカヨコさんに、クンチの商品ができ上がるまでのストーリーをうかがいました。かぎ針編みを始めたのは、バリ島で何か手作りの商品を作りたいと漠然と考えていたときに、ある人に「ニットなんてどう?」と提案されたのがきっかけだとか。
そして遠くの村まで職人さんを捜すところから始まり、素材の管理、品質をあげるためのメンタル面の教育など、11年間さまざまなことを乗り越えながら職人さんと共にモノ作りをしてきたそう。カヨコさん自身、見よう見まねで編み物を試すうちに、一本のかぎ針と、糸、これが様々な形を作っていくのが楽しくて仕方がなかったと言います。自分が使うなら、こんな風に、と実用性を重視しつつクラフト感を大事に商品を作っているそうです。
バリ島ならではの苦労も多かったでしょうね。職人さんとの信頼関係を築くのはとても大変なことだと思います。良い職人さんを育て上げることができるかどうかも仕事が長く続けられるかどうかの秘訣かもしれません。クンチならではの愛される作品を作っていきたいというオーナーと職人さんの思いは、きっと商品を通して伝わると思います。
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Kunci(クンチ)
住所:Jl.hanoman no,27 padang tegal peliatan ubud
TEL:0361-971050
営業時間:10:00~18:00