冷え性の症状と定義

冷え性の症状を感じるのは気温が低いときとは限らない

冷え性の症状を感じるのは気温が低いときとは限らない

暖かい日も増えてくる冬から春への変わり目。夜や朝方はまだ気温が低く、肌寒く感じることも多いと思います。布団に入った時に手足の先が冷えて眠れないことや、早朝に手足が冷たくて起きてしまうなど、いわゆる冷え性に悩まされることが多い季節とも言えるでしょう。こうした冷え性の症状はなぜおこるのかを生理学的な視点と東洋医学的な視点から考え、より効果的な症状改善法と予防法について紹介していきます。

「冷え性」という言葉はごく当たり前に使われていますが、実際のところどんな状態を冷え性と捉えるかはかなり曖昧であると言えるでしょう。冷え性の定義としては1954年に発刊された『医学大辞典』に記載されたものが見当たる程度で、ほとんどの場合において主観的な感覚で冷え性を捉えているのではないでしょうか。

医学大辞典の定義によると、「身体の他の部分が全く冷たさを感じないような室温において、身体の特定部位のみが特に冷たさを感じる場合をいい、その発現は絶対温度だけにより決定されるものではない」とされています。こうしたことからも、当時から低体温であることと冷え性であることは違うと考えられていることが明らだと言えるでしょう。

また、現千葉中央メディカルセンター和漢診療科の寺澤捷年医師はより正確に冷え性を定義するために1987年に診断基準に基づく冷え性を提唱しました。そして、「通常の人が苦痛を感じない程度の温度環境下において、腰背部、手足末梢、両下肢、偏身、あるいは全身的に異常な寒冷感を自覚し、この異常を一般的には年余にわたって持ち続ける病態をいう。多くの場合この異常に関する病識を有する」というより包括的な冷え性の捉え方を打ち出しました。

冷え性の原因

こうした診断基準の確立や冷え性の再定義をすることにより、冷え性になりやすい人やその症状の傾向がより明らかになったと考えられます。現在では、冷え性の頻度は男性より女性に多いこと、女性の半数から70%の方が冷えを辛いと考えていることがわかっています。これには女性は男性と比較して体温を上げる主動力である筋肉量が少ないことが関係していると考えられています。筋肉量が少ないと皮膚の表面温度が下がりやすく、気温が低いと体温まで下がりやすくなってしまいます。また、女性は月経などにより骨盤帯から腹部にかけ血流が停滞しやすくなることからも熱産生が下がり体温が低くなりやすいと考えられます。

また、気温が低くなると私たちは四肢末端から身体の中心に血液を移動させて深部体温が低下しないようにするのですが、こうした状況では手足の血液循環が低下し、温度も下がってしまいます。本来であればこうなってしまっても手足の筋肉が熱を生み出す働きをするはずなのですが、冷え性の方は筋肉量が少ないため末端の温度がどんどん低下してしまうのです。

こうしたことをまとめると、冷え性の主原因は筋肉量が少なくなることで起こる血液循環の低下にあると考えることができます。こうした冷え性の基礎知識を踏まえ、東洋医学的な視点から考える冷え性とツボを使った改善方法について考えてみましょう。