野球での学びはキャリアを形成する上でのバックボーンになっています
ガイド:事業を立ち上げるきっかけを教えて下さい。
是永氏:実家や親戚も事業を行っている環境だったので、いつかは起業することをイメージしていました。小学校時代から野球一筋で、クラブチームを経て、東京都で屈指の帝京高校の野球部に入部しました。とんねるずの石橋貴明さんは私の2年先輩にあたります。その後、野球推薦で大学には行ったものの、父親の他界で大学を辞めざるを得なくなりました。大学退学と同時に、自動的に野球のキャリアもここで終わりました。その後は、リクルートさん、パソナさん、マンパワージャパンさんで人材派遣事業を中心に、キャリアを磨きました。最後のマンパワーさんでは事業部長まで任され、何とかやっていけるだろうと確信した1998年、34歳の時に今の会社を立ち上げました。そもそも自分で会社を起業する志向だったことと、仕事を通じてやりたいことが明確になったことが起業を後押ししたのです。
ガイド:独立後は順調に運んだのですか?
是永氏:そうですね。全体としては順調かと思いますが、色々ありました。事業や組織は生き物ですから簡単ではありません。ただ、課題解決型を主とした営業のプロフェッショナルを育成するノウハウは体系化できていると思います。2009年までは成果を中心に社員を評価していたのですが、それ以降はスキルやプロセスを中心に評価しています。スキルを高めてプロフェッショナルな営業を実施することで顧客満足にも社員の成長にもつながると信じています。
ガイド:現在の関心事は何でしょう?
是永氏:毎年、3月には当社の事業計画についてのアンケートを無記名で全社員に提出してもらっています。アンケートの質や回答率、また記入内容がいかに事業計画への理解を反映したものになっているかが経営者にとっての通信簿になっていると思います。賛同もあれば意見もあり、中にはアンチな回答もありますが、むしろ、それが参考になったりするわけですから謙虚に受け止め、次の一手に繋げていきたいと思います。今後、組織を更に大きくするためには、事業全体をマネジメントできる人材が必要です。こういった人材が育つ仕組みづくりやノウハウ化、それが経営者として腕の見せ所だと思います。その仕組みが当たり前のように廻り出せば、更なる成長へと辿り着くと考えています。