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ヤン・リーピン『孔雀』インタビュー!(2ページ目)

中国国宝級舞踊家といわれるヤン・リーピンが、3年ぶりとなる待望の来日を実現! 中国で大ヒットを記録し、最高傑作との呼び声も高い舞踊劇『孔雀』を上演します。ここでは、ヤン・リーピンと、その15歳の姪で本作にも出演するツァイー・チーにインタビュー。作品の見所についてお聞きしました!

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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ダンサーだけで50名以上が出演するという本作。
キャストはどのような基準で選びましたか?

ヤン>主な役柄のうち、カラスと神様、雄孔雀役のキャストは現代舞踊からスカウトしてきました。クラシック・バレエにはいろいろ決まった形式があるので、どうしても型にとらわれてしまいがち。現代舞踊のダンサーなら自由な表現を使うだろうし、その方が私の舞劇に合ってるのではと考えました。

『シャングリラ』のキャストも一部出演しています。ただ、『シャングリラ』のキャストは山奥の素朴なイメージが強い。この作品はもっと総合的に中国全土を網羅した雰囲気にしたいと思い、今回は新しいメンバーを加えました。それに『シャングリラ』は初演から10年ほど経っているので、初期のダンサーたちは先生になったりと、指導側にまわっているひとも多い。舞台も新しくなり、キャストも代替わりしていると言えますね。

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ツァイー・チーさんは作品のキーパーソンでもある時間役を演じます。
上演中は2時間もの間舞台上で休まず回り続けているそうですね。

ツァイー・チー>叔母と芸術家の先生方が作品の方向性を考えていたとき、“時間という役は止まらずに動いている方がいい”という話が出て、ずっと回っていることになりました。

そんな振付は今まで聞いたことがないし、最初は好奇心いっぱいで、ぜひやってみたいと思いました。でもいざ稽古に入ってみると、他のひとたちはいろんな振付があっていろんなシーンを演じてるのに、私はずっと同じ動作、同じ回転ばかり。何だかつまらないな、何で私は踊れないんだろう、何でずっと回っていなきゃいけないんだろう……、と思ったことも。

でも作品が完成して舞台に乗り、照明が入ったとき、時間という役はすごく重要で、お客さんにも注目される存在だと気付いたんです。とても大事な役なんだということをそこで初めて実感し、この役をもらったことを改めて嬉しく思いました。

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                              ツァイー・チー 


ツァイー・チーさんはこれまで一度も目が回ったことがないとお聞きしました。
いつもどのような訓練をしているのでしょう?

ツァイー・チー>他のダンサーたちと同じことをやっているだけで、特別なことは何もしていません。ただ、回ることは昔からとても好きでした。私は今でも、もっと回りたいと思っています。どんどん挑戦していきたいんです。挑戦することがとても好きだし、ここまで回ることができるようになったのはその結果だと思っています。

ヤン>ツァイー・チーは小さい頃から踊るのが好きでした。私の“孔雀の舞”を舞台の袖で見ていて、3歳の頃にはもう自然とできるようになっていましたね。私が舞台で踊りはじめると同時にツァイー・チーも舞台袖で踊りはじめて、最後まで同じように踊りきるんです。だからよく私が袖に戻ると、ツァイー・チーがびっしょり汗をかいていました(笑)。ただ、私の“孔雀の舞”をツァイー・チーは踊れても、残念なことに私はツァイー・チーの回転はできません(笑)。

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