ついにマレーシア航空がサーチャージと運賃の一本化を発表!
2013年2月にワンワールドに加盟したマレーシア航空 (画像提供:マレーシア航空)
この「一本化」というのは、前述のような「込み表記」とは別物です。文字通り運賃とサーチャージを一体化させるということですから、表面上サーチャージは姿を消すということになるでしょう。込み表記よりもさらに大きく一歩踏み込んだ形と言えます。
私を含む多くの消費者にとっては喜びであると同時に、驚きでもあったのではないでしょうか。
2000年代、世界的な原油価格高騰によって日々のガソリン供給すら危ぶまれていた頃、一時的な措置として燃油サーチャージが航空運賃に付加されたのは市場に一定の理解が得られていたと思います。
しかし十余年が過ぎ、原油価格もずっと高止まり傾向を示す中で、このような別立て方式の弊害が前述のように顕著になってきていることを鑑みると、この制度を考え直す時期が来ていることは間違いないでしょう。
というわけで4月以降、マレーシア航空の航空券やマレーシア航空を利用するツアーなどは一時的に見出し価格が上がることが予想されます。しかし、賢くなった消費者はもうそれが「高くない」ことにすぐに気付くはずです。
気になる他社の動きは
さて、このマレーシア航空の動きに対して、競合の航空各社がどう反応するかが注目されます。しかし私自身は、他社が早々に追随する可能性はかなり低いと考えています。まだまだ原油価格も下がる気配を見せない中で、燃油サーチャージの制度的メリットは依然大きいと思われるからです。しかし長期的視点でみれば、どんなビジネスでも最後に勝ち残れるのは顧客とパートナーの支持を得られた企業です! それは、航空会社といえども例外ではないでしょう。そう考えれば、いずれは運賃と一本化の方向に向かっていくのではないでしょうか。また、それに向けて業界団体も行政などに要請を続けています。
ビジネスは何事も明朗会計が一番の基本です! 今回のマレーシア航空の誠意と英断を消費者の一人として大いに歓迎、評価します。考えてもみれば、国内線にはサーチャージなんてないのですから。