東日本大震災から3年
防災対策に震災の経験を活かす
東日本大震災から3年が経過します。首都圏でも新浦安などで液状化などの被害があり、高層マンションのエレベーターの停止、物流機能の低下によるモノ不足など暮らしに大きなダメージを与えました。東日本大大震災の体験は、人々の意識も大きく変えました。国土交通省が平成24年1月~2月に実施した、国民意識調査「東日本大震災後の考え方の変化」によれば、考え方が大きく変わった項目として「防災意識の高まり」「節電意識の高まり」「家族の絆の大切さ」が挙がっています。
こうした、人々の意識の変化と、震災発生後の経験からマンションの防災対策も大幅に強化されました。東日本大震災後に分譲され、採用した複層防災プログラムが2013年のグッドデザイン賞を受賞した武蔵小杉の再開発タワーマンション「パークシティ武蔵小杉ザ グランドウイングタワー」(三井不動産レジデンシャル)を例に、進化したマンションの防災対策を紹介します。
「武蔵小杉」駅直結のパークシティ武蔵小杉ザ グランドウイングタワー
「ららテラス武蔵小杉」が隣接 制震構造採用の地上38階建てのパークシティ最終棟
パークシティ武蔵小杉ザ グランドウイングタワーの販売期間は、2012年4月~2013年3月(全戸完売)。価格は、3,300万円~10,280万円。平均坪単価は291万円。購入層は、川崎市中原区30%、その他川崎市10%、東京都25%と広域で、20代8%、30代32%、40代23%、50代18%、60代以上が19%と幅広い年代層が支持しました。購入者からは、防災対策が間取りの次に評価されるなど高い認知を受けています。制震構造採用の鉄筋コンクリート造地上38階建て地下2階建て、総戸数506戸の同マンションは、隣接する商業施設「ららテラス武蔵小杉」と連絡通路「スカイゲートブリッジ」で結ばれ、商業モール「東急スクエア」にスムーズにアクセスできるなど利便性の高いロケーションです。サスティナブルな暮らしをサポートする「レジデンシャルスマート」のもと、地中熱利用や太陽光発電システムなど環境負荷を軽減する施策とともに、防災対策を東日本大震災をうけ強化しています。
同マンションでは、屋上に太陽光パネルと蓄電池を設置。共用部内の廊下の照明に活用します。創エネルギーの状態は、共用部に設置されたディスプレイ「デジタルサイネージ」で確認できます。
太陽光発電パネルで創られる電力は、停電時にも共用廊下などの照明を照らす為、防災面でも有効です。頭頂部のLEDは、その日の消費電力によって光方が変わる演出が施されます。
次のページでは、さらにマンションの防災対策を紹介します。