“空気をたっぷり運んでいるから”空荷でも乗り味がいい

VWゴルフヴァリアント

ハッチバック同様にデュアルクラッチトランスミッションの7速DSGを搭載。アイドリングストップやエネルギー回生システムなども備え、JC08モード燃費はコンフォートラインが21km/l、ハイラインが19.5km/lに向上した

VWゴルフヴァリアント

1.2リッターターボは105ps/175Nmを発生、1.4リッターターボは140ps/250Nmとなる

走りは、正にゴルフ7であった。

空荷のワゴンモデルに乗ると、昔は“空気を運んでいる感”を強く覚えたものだけれども、さすがに最近ではそう思うことはほとんどなく、逆にゴルフヴァリアントに至っては、ベース車両よりも“しっとり落ち着いて走る”と思えるまでにセットアップされている。

空気をたっぷり運んでいる、だから、空荷でも乗り味がいい。最新ワゴンは、ついに、そんな境地に達したのだ。
VWゴルフヴァリアント

プリクラッシュブレーキシステム(Front Assist Plus)を標準化。衝突や追突時に自動でブレーキを作動させ車速を10km/h以下まで下げることで、対向車線へのはみ出しなどを防ぐマルチコリジョンブレーキシステムも備える

あたりをひとまわりしただけで、手足によく馴染む。違和感がないどころか、慣れ親しんできた風だ。これはゴルフ7の、最も魅力的な性格のひとつであり、それをヴァリアントもしっかりと受け継いだ。ステアリングフィールはあくまでも従順で、おしつけがましくない。それでいて、いったん居場所を決めたなら、きちっと最後まで責任をもって正確に車体を動かしてくれる。後味は優しく、穏やかだ。

乗り心地の良さと静かさもまた、ハッチバックの美点を引き継いでいる。嬉しいことに、ライドフィールそのものはハッチバックより心なしかしっとりめだ。意地悪にも、意識を後に集中させて空荷室の存在を感じてやろうとめいっぱい“自分センサー”を飛ばしてみたが、さほどの反応はなく、むしろ、落ち着き払った走りに“余計な詮索は無用”と諭された気分である。

それゆえ、パワートレインに不足を覚えることもまずないだろう。軽妙なエンジンサウンドと小気味よいシフトアップが、気分のいい加速フィールをバックアップしている。力は十二分で、決して前輪にのみ集中するのではなく、車体の隅々にまで行き渡っているようだから、安心して踏んでいける。

高速道路での安定感は空荷でもまるで問題なく、荷物を積めばさらに落ち着くのではないか。そう期待させるに十分なパフォーマンスであった。

ガツーンと飛ばしても、ゆっくりと流していても、“オレって、いいモノを使っているよなぁ”と思わせてくれる。そんな優れた道具感こそが、ゴルフの身上であり、ヴァリアントではいっそうそれが強調されているように感じた。
VWゴルフヴァリアント

レーンキープアシストや車間を自動調節するアダプティブクルーズコントロールをハイラインに標準化