VW(フォルクスワーゲン)/ゴルフ

ゴルフヴァリアント試乗 プロの評価は?(2ページ目)

日本の自動車史にその名を残すであろう新世代ゴルフにワゴンモデルが登場。文句なしに嬉しい最新のゴルフ7をベースとし、“オレって、いいモノを使っているよなぁ”と思わせてくれる優れた道具感を備えています。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

“空気をたっぷり運んでいるから”空荷でも乗り味がいい

VWゴルフヴァリアント

ハッチバック同様にデュアルクラッチトランスミッションの7速DSGを搭載。アイドリングストップやエネルギー回生システムなども備え、JC08モード燃費はコンフォートラインが21km/l、ハイラインが19.5km/lに向上した

VWゴルフヴァリアント

1.2リッターターボは105ps/175Nmを発生、1.4リッターターボは140ps/250Nmとなる

走りは、正にゴルフ7であった。

空荷のワゴンモデルに乗ると、昔は“空気を運んでいる感”を強く覚えたものだけれども、さすがに最近ではそう思うことはほとんどなく、逆にゴルフヴァリアントに至っては、ベース車両よりも“しっとり落ち着いて走る”と思えるまでにセットアップされている。

空気をたっぷり運んでいる、だから、空荷でも乗り味がいい。最新ワゴンは、ついに、そんな境地に達したのだ。
VWゴルフヴァリアント

プリクラッシュブレーキシステム(Front Assist Plus)を標準化。衝突や追突時に自動でブレーキを作動させ車速を10km/h以下まで下げることで、対向車線へのはみ出しなどを防ぐマルチコリジョンブレーキシステムも備える

あたりをひとまわりしただけで、手足によく馴染む。違和感がないどころか、慣れ親しんできた風だ。これはゴルフ7の、最も魅力的な性格のひとつであり、それをヴァリアントもしっかりと受け継いだ。ステアリングフィールはあくまでも従順で、おしつけがましくない。それでいて、いったん居場所を決めたなら、きちっと最後まで責任をもって正確に車体を動かしてくれる。後味は優しく、穏やかだ。

乗り心地の良さと静かさもまた、ハッチバックの美点を引き継いでいる。嬉しいことに、ライドフィールそのものはハッチバックより心なしかしっとりめだ。意地悪にも、意識を後に集中させて空荷室の存在を感じてやろうとめいっぱい“自分センサー”を飛ばしてみたが、さほどの反応はなく、むしろ、落ち着き払った走りに“余計な詮索は無用”と諭された気分である。

それゆえ、パワートレインに不足を覚えることもまずないだろう。軽妙なエンジンサウンドと小気味よいシフトアップが、気分のいい加速フィールをバックアップしている。力は十二分で、決して前輪にのみ集中するのではなく、車体の隅々にまで行き渡っているようだから、安心して踏んでいける。

高速道路での安定感は空荷でもまるで問題なく、荷物を積めばさらに落ち着くのではないか。そう期待させるに十分なパフォーマンスであった。

ガツーンと飛ばしても、ゆっくりと流していても、“オレって、いいモノを使っているよなぁ”と思わせてくれる。そんな優れた道具感こそが、ゴルフの身上であり、ヴァリアントではいっそうそれが強調されているように感じた。
VWゴルフヴァリアント

レーンキープアシストや車間を自動調節するアダプティブクルーズコントロールをハイラインに標準化

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