VW(フォルクスワーゲン)/ゴルフ

ゴルフヴァリアント試乗 プロの評価は?

日本の自動車史にその名を残すであろう新世代ゴルフにワゴンモデルが登場。文句なしに嬉しい最新のゴルフ7をベースとし、“オレって、いいモノを使っているよなぁ”と思わせてくれる優れた道具感を備えています。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

待望の最新ハッチバックベース、便利に使える実用車

VWゴルフヴァリアント

1.2リッターターボを搭載するコンフォートライン(269.5万円)と、1.4リッターターボのハイライン(322.5万円 写真)をラインナップ

ゴルフ7は、日本の自動車ユーザーの心ウチに常にあった“ガイシャ”と日本車の精神的&物理的な垣根を、はじめて完全に取り払ってくれたクルマとして、日本の自動車史にその名を残すことだろう。ガイシャとして、というよりはむしろ、スタンダードとして。

自動車を移動の手段として捉えれば、(その万能さにおいて)そうであることは自明の理であるし、また移動を楽しむ特別なものとして捉えてみても、(とてもフレンドリーな操作フィールにより)そう感じて当然である。

つまり、最新世代のゴルフは、とてもよくできている。
VWゴルフヴァリアント

ボディサイズは全長4575mm×全幅1800mm×全高1485mm、ホイールベースは2635mm。旧型より低く(−45mm)、大きく(全長+30mm/全幅+15mm)なった

ゴルフのワゴンタイプをヴァリアントという。程よい大きさで乗用車としての質感もそこそこあって、“使える”国産ステーションワゴンが少なくなってしまった(当然だ、ベースとなるセダンがそもそも減ってしまった)なか、ファミリーユースにも十分耐えうる居住スペースとたっぷりとした積載スペースを両立したゴルフのワゴンは、実に多くのワゴンユーザーから支持を得てきた。

ところがその一方で、これまでのゴルフヴァリアントといえば、世代遅れのゴルフをベースに、雰囲気(例えば顔立ち)だけ最新世代風にして、つまりはナカミを少々偽って、売られてきたという印象がつきまとう。

使い倒したい&倒せるワゴンモデルであるがゆえ、ヘビーデューティに使用される国々ではできるだけモデルスパンも長い方が有り難いであろう、などという理屈を頭では理解できるものの、常にナカミがお古、という事実はやっぱり変わらず気になるものだし、ワゴンファンにとってはどこか“ないがしろ”にされている感もあったはずで……。

嬉しいことに、最新のゴルフヴァリアントは、よくできた最新世代のハッチバックをベースにステーションワゴン化されたものだ。つまり、ゴルフ7ワゴン、である。

これは文句なしに嬉しい。ベースモデルの、あのフレンドリーな走りがそのままワゴンになっているというのであれば、モノを沢山積む・積まないに関わらず、実用車の筆頭セレクトに挙がってきそうである。いつ何時でも便利に使えるクルマ、として……。

日本仕様のゴルフヴァリアントには、いくつかのグレードがある。
VWゴルフヴァリアント

デザインはハッチバックと同様に。コンフォートラインにはファブリックシートを、ハイラインはファブリック×アルカンターラのスポーツシートを備える

VWゴルフヴァリアント

旧型より20%広くなったラゲージ。リアシートを倒せば最大1620リッターまで拡大する

肝心の積載量について言えば、605リッターという数字が、その十二分さを物語って余りある。これは、たとえば格上ワゴンのパサートヴァリアント(603リッター)とほぼ同じ容量であり、かなりのヘビーユーザーをも満足させるものだ。ごく一般的に言って、引っ越しマニアでもないかぎり、これを毎週末フルに使いこなすのは大変だ。

数字で判断せずとも、ゲートを開けてさえみれば、その十分すぎる使い甲斐がひとめで分かるというもの。基本的に四角くえぐられたスペースは、低いデッキとあいまって、見るからに使い勝手もよさそうだ。見映え質感にも手抜かりはなく、荷物の出し入れに気分がアガる。そんなに積み込んでどうするの……、なんて事態になりそうである。

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