多数の市町村で災害救助法が適用に
2014年当時、観測史上1位の大雪に翻弄された週末
また大雪による道路の寸断から孤立状態となった地域も発生し、多くの方の命が危険にさらされることに。そのため長野県、群馬県、山梨県及び埼玉県は、災害救助法の適用を決定、適用市町村では、措置として避難所の設置等が行われました。
災害救助法の適用地域では、預金の引き出し等への柔軟な対応、生命保険料・損害保険料支払いの猶予など、さまざまな被災者の便宜を考慮した措置が講じられます。ぜひ覚えておきましょう(参考:九州北部豪雨 床上浸水は火災保険でカバーできる)。
【2014年豪雪における、災害救助法の適用市町村】
長野県: 茅野市、北佐久郡軽井沢町、諏訪郡富士見町、北佐久郡御代田町など、1市3町
群馬県: 安中市、藤岡市、沼田市、多野郡上野村、多野郡神流町、甘楽郡下仁田町、甘楽郡南牧村、吾妻郡高山町、吾妻郡東吾妻町など、3市3町3村
山梨県: 甲府市、富士吉田市、都留市、大月市、韮崎市、笛吹市、上野原市、西八代郡市川三郷町、南巨摩郡早川町、南巨摩郡身延町、南都留郡忍野村、南都留郡山中湖村、南都留郡鳴沢村、南都留郡富士河口湖町、北都留郡小菅村、北都留郡丹波山村、北杜市、光州市、南都留郡西桂町、南アルプス市、南都留郡道志村など、10市5町6村
埼玉県:秩父市、飯能市、秩父郡横瀬町、秩父郡皆野町、秩父郡長瀞町、秩父郡小鹿野町、児玉郡神川町など、2市5町
雪による建物や家財の被害は「雪災」。火災保険が使える
雪が原因で住宅建物の屋根が落ちたり、雪が壁を突き破って室内に侵入した、またその結果、家財が破損するなどの被害を受けた場合、それらの損害は火災保険による補償の対象となります。ただし、保険金を受け取れるかどうかは、契約内容に「雪災」が含まれているかどうかによります。多くの火災保険では、「風災・ひょう災・雪災」をあらかじめパッケージしていることが多いので、補償対象となる契約は多いでしょう。自動車保険と異なり、火災保険では保険金を受け取っても、翌年の保険料が上がるということはありません。
なお契約時に、火災保険金を受け取る際の「免責金額」を設定している場合があります。免責金額とは自己負担のことで、たとえば50万円の修理費が発生し、50万円の請求をする場合でも、免責金額が5万円に設定されていると、受け取れる保険金は45万円になるということです。いうまでもなく、5万円以下の損害額では保険金支払いの対象になりません。
また、損害保険金を受け取れる場合には、それとは別に「費用保険金」が支払われる商品もあります。これは、契約により損害保険金の10~30%などの保険金が上乗せされるもの。つまり、費用保険金が支払われる契約なら、損害保険金だけでなく費用保険金も払われることになるのです。
費用保険金は、特約として契約者が選択した場合に支払われる商品のほか、契約者が選択していなくてもあらかじめ契約に内包されている商品もありますから、請求漏れなどしないようにしましょう。
また、15年以上前に20年以上など長期の火災保険契約をして、そのまま当時の契約を維持している場合、敷地内ごとに20万円以上の損害となる雪災でないと、保険金が請求できないケースがありますので、心当たりのある方は確認してみてください。
カーポートの被害は「建物の付属設備」として補償対象になる
今回はカーポートの被害が多数発生した
カーポートのほか、門や塀、垣や物置などが建物の付属設備とされており、契約時に特段申し出なくても、自動的に補償対象となります。
なお、カーポートの落下でマイカーが損害を受けた場合でも、火災保険ではマイカーは家財には含まれません。そこで、自動車保険に付帯している車両保険により、修理費をカバーすることができます。車両保険には偶然な事故である「モノの落下・飛来」による損害をカバーできるのですが、カーポートの落下はこれに該当します。
普段、雪の降らない地域の方などは、大雪による被害には思いが至らないかもしれませんが、突然の被害で、火災保険は意外に幅広く補償を受けられる保険です。イザという時慌てずに済むよう、この機会に一度、契約内容を確認してみることをお勧めします。
【関連リンク】
内閣府 防災情報のページ 2月14日から16日の大雪等の被害状況等について
内閣府 防災情報のページ 災害救助法
損害保険協会 2月14日からの大雪により被害を受けられた皆様へ
火災保険の風災・ひょう災・雪災ってどんなの?
竜巻被害は火災保険でカバーできる
九州北部豪雨 床上浸水は火災保険でカバーできる