平成25年4月に介護員養成研修の課程が見直され、新カリキュラムである「介護職員初任者研修」(以下「初任者研修」という)がスタートしてから1年が経過しようとしています。

制度の変更がアナウンスされた当時は、訪問介護員2級課程(以下「ホームヘルパー2級課程」という)研修への駆け込み受講が増加しました。「初任者研修になると難しくなるのでは」「金額が上がるかもしれない」など、さまざまな情報が流れ、受講者の決心を急がせたのも要因の一つだと思います。それから年度が替わり、初任者研修に統一される頃には、就職希望者の履歴書にもその名称を見かけるようになりました。

新カリキュラムの内容は、従前と同じ130時間の中で、実際の介護現場がよりイメージしやすい構成に工夫されています。また、より専門性を重視した教育を目指しているだけあって、初任者研修、介護福祉士実務者研修(以下「実務者研修」という)、介護福祉士というステップを踏む上で、一貫したカリキュラムで連動した内容になっています。

講義風景

講義内容が工夫されました

例えば、実際の介護現場では「その時その時の情報から適切な行動を選択する」ための思考プロセスが重要視されます。そのため、改正された初任者研修では、知識と技術の提供だけではなく場面に合わせて考え行動ができる素地が身につくようなカリキュラム構成となっています。具体的には視聴覚教材であるDVD映像の活用、具体的な事例をもとにしたディスカッション、意見を交流させるグループワーク、各々の立場を体感するロールプレイングを取り入れるなど、科目ごとに様々な工夫がなされています。これら参加体験型学習で知識・技術・思考を体系的に記憶にインプットしておくことで、学習したことが実際の現場に重ね合わせやすくなります。

この記事では新しくなった初任者研修について、以下のポイントに沿って述べていきます。

  1. カリキュラム内容の工夫点
  2. 受講のメリット
  3. 学校を選ぶ上でのポイント

カリキュラム内容の工夫点

初回の導入講座が研修全体を活かす

初任者研修の初回講座に設定されている項目が「職務の理解」です。通信学習を選択した場合でもスクーリング(通学での実習)として組み込まれている、重要度の高い項目になります。

一言で介護といっても、在宅訪問型の介護サービスから、特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホーム、介護付き有料老人ホームなど建物内で介護サービスを提供する形態、日帰りのデイサービスまでさまざまです。どのような環境で、どのような形で、どのような仕事を行うのかを具体的にイメージすることで、漠然と「介護がやりたい」と捉えている人も、働いてみたい職場を想像する良い材料になります。

また130時間の研修内容は、科目と科目の連続性で組み立てられています。あらかじめどの時間に何を学び、それがどの科目に結びついていくのかを知っておくことで、整理しながら学習を進めていくことが可能です。目的地を定め全体地図を把握しながら進むことで、より効率的、効果的に到着しやすくなるのと同じです。
初任者研修の必須時間

初任者研修時間の内訳