しかし、アメリカは州ごとに批評家協会賞があったり、映画関係者による組合賞があったりと50以上の映画賞があり、それらの賞はアカデミー賞の前哨戦として、映画人や映画ファンにチェックされているのです。
では2013年度の公開作は、前哨戦でどのような結果になったのか? そしてそこから、第86回アカデミー賞の作品賞・監督賞・主演男優・女優、助演男優・女優賞を占ってみましょう!
前哨戦で作品賞を最も多く受賞したのは?
さて、アカデミー以外の各映画賞を米国で受賞した作品はなんでしょう? 数多く受賞した作品が、アカデミー賞に近いと言えそうです!〇全米映画賞受賞数による順位(作品賞)
- 『それでも夜は明ける』
- 『her/世界でひとつの彼女』
- 『ゼロ・グラビティ』
- 『アメリカン・ハッスル』
正直言って、『それでも夜は明ける』の圧勝でございます。アメリカの奴隷制度を取上げた作品で、辛い過去から目をそむけず真正面から描ききった力作は、多くの映画人の心を捉えたようです。
2,3,4位の受賞数はほぼ横並び。『それでも夜は明ける』が圧倒的な受賞数でかなり抜きんでているのです。爆発的なヒット作というわけではないけれど、ヒットしているか否かよりも、やっぱり作品の質ですよね。『それでも夜は明ける』は、演出はもとより役者の巧さも光り、本当に見応えがあるのですよ。
『her/世界でひとつの彼女』はスパイク・ジョーンズ監督作。主人公がコンピューターのオペレーションシステムの声に恋をするという斬新な発想を見事映画化させたと高評価ですが……。他にも『キャプテン・フィリップス』 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』なども作品賞の候補として有力視されていましたが、意外にも前哨戦では受賞なし。
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