2011年3月11日の東日本大震災以後、防災意識の高まりを反映し防災対策を充実させたマンションが増えました。また地震だけでなく、この冬の記録的な積雪により「外に出られなくなった」「電気が止まった」という緊急事態も発生しています。どちらにしろ日ごろから起こりうる自然災害に対する「防災対策」や「備え」は必要です。

防災対策を充実させたマンションとは?

モデルルームで防災備品を展示していたら中身もチェック。

モデルルームで防災備品をチェック。

防災への備えとして、食料品や水、日常品、毛布などを、マンション共用部の防災倉庫に常時備蓄しておくマンションが増えています。

それらのものは、本来なら各住戸で備蓄しておくのが基本ですが、マンション住戸では面積に限りがあり、各々で充分な量を備蓄するのは難しいのが現状です。もし共用部に防災倉庫があり十分な量の備蓄があれば、災害発生時でも避難はせずにより負担の少ない自宅での生活が可能となります。

特に飲料水は命を維持するための大切なライフラインです。そのため、水をろ過して飲料水を作る非常用飲料水生成システムなどを備蓄しているマンションもあります。電源は、こちらも非常時用に備蓄してある発電機から得ます。また水源を確保するために敷地内に非常用の井戸を有するマンションもあります。

 

防災倉庫に備蓄してあると便利なもの:工具や大型のもの

それでは次に、食料品や水の他にどのようなものが備蓄されていると役に立つでしょうか。まずは工具類。災害時に救助に使う道具、例えば建物や家具の下敷きになった人を救出するためのバールやハンマー、けが人を運ぶ担架など、共用の防災倉庫には各家庭で普段あまり使わないもの、大型のものなどが備蓄されていることが望ましいでしょう。


 

断水、停電時に役に立つもの

マンホールトイレの例(出典:コトブキ タウンスケープ)

マンホールトイレの例(画像提供:コトブキ タウンスケープ

万が一の断水・停電時のために、投光器や固形燃料、発電機、カセットコンロやガス、マンホールトイレなどを備蓄していると安心です。

投光器とは持ち運び可能なライトのことで、停電時や夜間に活躍します。電源は自動車のバッテリーや発電機から得ることができます。マンホールトイレとは、マンホールの上に直接取り付けられる簡易式のトイレのことで、組み立て式のテントブースで周囲を覆うことができるのでプライバシーも守れます。

発電機は非常用の小型のもの、エレベーターがストップした時に使える大型の非常用自家発電機などがありますが、高層マンション、タワーマンションでは後者は必須かもしれません。 

 

煮炊きに便利なベンチ

かまどベンチの例(画像提供:コトブキ タウンスケープ)

かまどベンチの例(画像提供:コトブキ タウンスケープ

非常時には、多くの人に温かい食事を届けられるように「炊き出し」が行われることもあります。

炊き出しのできる大きなかまどを備蓄しておくことは、収納スペース上難しい…という時でも「ベンチ」と「かまど」の2通りの使い方ができる商品もあります。普段はベンチとして庭などに配置し、いざという時は腰かけ板を外してかまどとして使用できます。このようなベンチやスツールをマンションで採用するケースが増えています。

 

防災倉庫はどこにあるとよい?

それらの防災備品をしまう倉庫は、マンション共用部に最低でも一か所は欲しいところです。その場合は1階のメインエントランス近くに設けられることが多いようです。しかし、万が一エレベーターが止まってしまった時、高層階の人がそこまで取りに行くのは至難の業です。そこで、各階ごとに防災倉庫スペースを確保しているマンションも出てきています。このように高層マンション、タワーマンションの場合は、各階の設置は難しくても、歩いて取りに行ける数階おきに防災倉庫が設けられていることが望ましいでしょう。

次のページで各住戸内での防災対策最前線を見てみましょう。