社会保険労務士試験/社会保険労務士とは

開業社労士の業務を知ろう「労務相談」

開業社労士の仕事は、企業の人事・労務関係のアドバイザーとして、労務相談や労働・社会保険の手続き代行、就業規則の作成などを行うケースが最も多いでしょうが、その他にも個別労使紛争の解決業務や年金アドバイザーなど多岐にわたります。本コラムでは、開業社労士のそれぞれの仕事について詳しくご紹介いたします。

長友 秀樹

執筆者:長友 秀樹

社会保険労務士試験ガイド

労務相談業務とは?

メンタルヘルスやセクハラ・パワハラ問題、名ばかり管理職、問題社員への対応、事業縮小に伴うリストラ、労働基準監督署の臨検監督……。

昨今、企業を取り巻く人事・労務の問題は、多様化・複雑化の一途をたどっています。また、インターネットの普及に伴い、労働者が気軽に法令等の情報を入手できる環境が整ったことにより、このような労使間での問題の解決において、企業側の論理だけでは簡単に済まされない時代となっています。

開業社労士の役割の一つに、企業に対する人事労務管理のコンサルティング(いわゆる3号業務)がありますが、特に労使間で発生する様々な問題に対しては、社会保険労務士は労働問題のエキスパートとして企業の相談に乗り、解決への道筋を示すことで、健全な職場作りに貢献することができるのです。

企業から受ける労務相談の具体例

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労務問題を解決して健全な職場作りをサポート

前述したとおり、職場では様々な労務問題が発生しますが、私が今までにクライアント企業からお受けした具体的な相談事例をいくつかご紹介したいと思います。

○メンタルヘルスに関する事例
メンタルヘルス疾患があると見られる従業員に、医師の診察を受診するよう命じたが本人が応じない。職場での人間関係に亀裂が入っているうえに、職務に明らかな支障をきたしており、受診を強制したいが、問題ないか。

○セクハラに関する事例
男性従業員が、同僚の女性従業員に対し一方的に好意を寄せ、執拗にメールを送ったり、女性従業員の自宅で待ち伏せするなど、ストーカー行為を行っていたことが分かった。これにより、女性従業員は精神的にまいってしまい、会社に出勤することができなくなった。この男性従業員を即刻、解雇したいと考えているが、問題ないか。

○管理監督者に関する事例
当社ではマネージャー職以上を管理職として、時間外・休日手当の支払い対象外としている。当社のマネージャー職は、他社で言う、いわゆる課長クラスだと認識しているが、先日、あるマネージャーから「自分は労働基準法第41条の管理監督者には該当しないので、過去の時間外・休日手当を支払ってほしい」と労働基準監督署に訴えられてしまった。当社としては、従前どおり、マネージャーは管理職なので時間外・休日手当を支払うつもりはないが、問題ないか。

社会保険労務士を目指す皆様は、企業から上記のような相談を受けた場合、どのような内容で回答をしますか?

その企業の状況や対象労働者の詳細な事情までは設定しておりませんので、色々な回答例があると思います。是非、ご自分が相談を受けた立場になって想像し、対応策を考えてみて下さい。
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