狭い部屋でもスッキリと有効に活用するためには、レイアウトに工夫が必要です。より広く見せつつも、使いやすい部屋作りのコツをまとめました。
狭くても、使いやすい部屋を作ろう
■モノを使うためにはスペースが必要必要な家具や家電を置くために、そのスペースの広さを測るのは常識です。でも、生活するためにはモノが置けることに加えて、それを使うためのスペースも必要です。
例えば、奥行30cmの両開きの扉付の棚を購入したとします。その前にはソファが置かれていて、棚とソファの間は65cmだった場合、確かにモノの大きさだけで考えれば置けるし、扉も開きます。でも、自分がその前に立つ、もしくはしゃがんで扉を開こうとすると、後ろのソファに身体がぶつかってしまって、とても使いにくい。それを考えると、もっと薄い棚にするか、扉なしのものにした方が使いやすそうです。
このように家具の大きさや部屋のスペースだけを見ていると、使いにくい部屋作りをしてしまう心配があります。そこでモノを使うために必要な寸法を以下にまとめました。家具や家電を購入するとき、設置するときにチェックしてみましょう。
□人一人が立って歩くのに必要なスペース:60cm~
□引き出しや扉のある棚の前に必要なスペース:90~120cm
□テーブルに座ったり、立ったりするのに必要なスペース(床座):60cm~
□テーブルに座ったり、立ったりするのに必要なスペース(椅子座):90cm~
□ベッドから立ち上がるのに必要なスペース:60cm~
■生活動線を考える
家事をしたり、トイレやお風呂に行ったり、モノを取りに行ったり…、生活をするにはあちこち部屋の中を移動します。その途中で明らかに障害になるようなものがあったり、別の動作を挟まなくては先に進めないとなると面倒です。部屋の中にモノを置くときには、生活の中でどんな動きをするのか考える必要があります。
例えば、洗濯をするときに、洗濯機置き場から洗濯物を持ってベランダまで移動するとします。その途中にソファが置いてあって、それをよけるには一度洗濯物を床に置かねばならない。それよりはソファを移動させて、持ったまま移動できるようにした方がスムーズです。小さなことではありますが、その負担が洗濯を溜めこんだり、部屋が散らかる原因になることもあります。
ちょっとした不都合があっても、それが日常になってしまうと気づきにくいものですが、少し変えるだけでもぐんと暮らしやすくなることがあります。次のようなポイントで自分の動きを振り返り、生活動線に問題がないか見直してみましょう。必要なモノは、できるだけ使う場所の近くに置いておくとスムーズです。
□洗濯をするとき
ランドリーボックス置き場所(衣類を脱ぐ場所と洗濯する場所の動線)
洗濯洗剤や柔軟剤の置き場所
洗った場所から干す場所までの移動
洗濯物を取りこむ場所
洗濯物をしまう場所(洗濯物を畳む場所と収納までの動線)
□料理をするとき
食材や調味料の置き場所(必要なものを探す、手に取る動線)
食器棚や冷蔵庫の位置(扉や引き出しの開けやすさ)
調理スペース(包丁やまな板、調理中のものの置き場所)
料理を持った状態での食卓までの移動
□掃除をするとき
掃除用具の置き場所
掃除機を持っての移動
□身支度を整えるとき
着替える場所と衣類の収納の動線
アクセサリー等の服飾小物の置き場所
メイク道具の置き場所
脱いだ衣類の一時収納場所
■床座? 椅子座?
床座の方が融通が利きやすいため、狭い空間も有効に使えます
一方で、椅子座の暮らしは立ったり座ったりがラク。長時間座って作業をすることが多いという場合は、椅子のある暮らしが向いているかもしれません。ただし、床座よりも椅子座の方がよりスペースを要します。狭い部屋では椅子は諦めて、ベッドをソファ代わりにするといった工夫も必要です。
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