一人暮らし/人を呼べるインテリアのコツ

狭い部屋を広く使える、見せるレイアウトのコツ

一人暮らしの狭い部屋でも、ポイントを押さえれば、より広く見せつつ、使いやすい部屋作りをすることが可能です。レイアウトの基本やチェックポイント、部屋作りに使いたい便利なアプリなどをまとめました。

河野 真希

執筆者:河野 真希

一人暮らし・簡単一汁三菜レシピガイド

一人暮らしの部屋の広さの平均は27.4平方メートル(SUUMO「20代社会人シングル男女の一人暮らしデータ」より)。シングル向けの物件では20平方メートル以下の部屋も決して少なくありません。

狭い部屋でもスッキリと有効に活用するためには、レイアウトに工夫が必要です。より広く見せつつも、使いやすい部屋作りのコツをまとめました。


狭くても、使いやすい部屋を作ろう

■モノを使うためにはスペースが必要
モノを使うためのスペース

モノの大きさ+モノを使うためのスペースも含めないと、使いにくくなってしまいます

必要な家具や家電を置くために、そのスペースの広さを測るのは常識です。でも、生活するためにはモノが置けることに加えて、それを使うためのスペースも必要です。

例えば、奥行30cmの両開きの扉付の棚を購入したとします。その前にはソファが置かれていて、棚とソファの間は65cmだった場合、確かにモノの大きさだけで考えれば置けるし、扉も開きます。でも、自分がその前に立つ、もしくはしゃがんで扉を開こうとすると、後ろのソファに身体がぶつかってしまって、とても使いにくい。それを考えると、もっと薄い棚にするか、扉なしのものにした方が使いやすそうです。

このように家具の大きさや部屋のスペースだけを見ていると、使いにくい部屋作りをしてしまう心配があります。そこでモノを使うために必要な寸法を以下にまとめました。家具や家電を購入するとき、設置するときにチェックしてみましょう。

□人一人が立って歩くのに必要なスペース:60cm~
□引き出しや扉のある棚の前に必要なスペース:90~120cm
□テーブルに座ったり、立ったりするのに必要なスペース(床座):60cm~
□テーブルに座ったり、立ったりするのに必要なスペース(椅子座):90cm~
□ベッドから立ち上がるのに必要なスペース:60cm~

■生活動線を考える
生活動線

生活に必要な動き、移動を考えたレイアウトにしないと、手間が増えてしまうことがあります

家事をしたり、トイレやお風呂に行ったり、モノを取りに行ったり…、生活をするにはあちこち部屋の中を移動します。その途中で明らかに障害になるようなものがあったり、別の動作を挟まなくては先に進めないとなると面倒です。部屋の中にモノを置くときには、生活の中でどんな動きをするのか考える必要があります。

例えば、洗濯をするときに、洗濯機置き場から洗濯物を持ってベランダまで移動するとします。その途中にソファが置いてあって、それをよけるには一度洗濯物を床に置かねばならない。それよりはソファを移動させて、持ったまま移動できるようにした方がスムーズです。小さなことではありますが、その負担が洗濯を溜めこんだり、部屋が散らかる原因になることもあります。

ちょっとした不都合があっても、それが日常になってしまうと気づきにくいものですが、少し変えるだけでもぐんと暮らしやすくなることがあります。次のようなポイントで自分の動きを振り返り、生活動線に問題がないか見直してみましょう。必要なモノは、できるだけ使う場所の近くに置いておくとスムーズです。

□洗濯をするとき
ランドリーボックス置き場所(衣類を脱ぐ場所と洗濯する場所の動線)
洗濯洗剤や柔軟剤の置き場所
洗った場所から干す場所までの移動
洗濯物を取りこむ場所
洗濯物をしまう場所(洗濯物を畳む場所と収納までの動線)

□料理をするとき

食材や調味料の置き場所(必要なものを探す、手に取る動線)
食器棚や冷蔵庫の位置(扉や引き出しの開けやすさ)
調理スペース(包丁やまな板、調理中のものの置き場所)
料理を持った状態での食卓までの移動

□掃除をするとき
掃除用具の置き場所
掃除機を持っての移動

□身支度を整えるとき
着替える場所と衣類の収納の動線
アクセサリー等の服飾小物の置き場所
メイク道具の置き場所
脱いだ衣類の一時収納場所

■床座? 椅子座?
床座

床座の方が融通が利きやすいため、狭い空間も有効に使えます

一人暮らしの場合、ソファや椅子は置かず、床に座って食事をしたり、テレビを見たりする床座の暮らしが主流です。そのメリットは視界を遮る家具などがないため、狭い空間を広く見せられること。また、座布団やクッションなど簡単に動かせるものを使うことで、シーンに合わせた空間作りが簡単にできることなどが挙げられます。例えば、複数の友人が遊びに来ることになっても、椅子が足りないと困りますが、床座なら、ラグなどが敷いてあれば、そのまま座っても違和感ありません。

一方で、椅子座の暮らしは立ったり座ったりがラク。長時間座って作業をすることが多いという場合は、椅子のある暮らしが向いているかもしれません。ただし、床座よりも椅子座の方がよりスペースを要します。狭い部屋では椅子は諦めて、ベッドをソファ代わりにするといった工夫も必要です。

次のページでは、狭くても広く見える部屋作りのヒントと、具体的なレイアウトをシミュレーションする方法について紹介します>>
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