ゴルフより上質な走りのアウディA3、圧巻は高速の安定感

アウディA3スポーツバック

5種類(エフィシエンシー/コンフォート/ダイナミック/オート/インディビジュアル)の走行モードが選択できるアウディドライブセレクトを、1.4TFSI以外に設定。エネルギー効率を高めるエフィシエンシーには、さらに燃費を向上させるコースティング機能が備わった

取材車いずれのボディタイプも、1.8TFSIクワトロである。販売のメインはゆくゆくFFグレードになっていくだろうが、ゴルフや他モデルたちの差別化を考えた場合、アウディ=クワトロの存在は見逃せない。

はたして、全般的なライドフィールは、ゴルフより上質という、アウディが狙ったとおりのものだった。
アウディA3セダン

1.4リッターターボは最高出力122ps/最大トルク200Nmを発生、気筒休止システム(COD)付きは140ps/250Nmに。1.8リッターターボは180ps/280Nmとなる

走りそのものの基本的な質感は、ゴルフのそれと同じレベルか、それ以上でまとめられている。走り出した瞬間から、幼なじみのように親しく思えるライドフィールは正にゴルフのそれだったし、走る曲がる停まるの基本動作における微小領域の質感の高さ(ツメの丁寧さ)はゴルフ以上。

これには、このサイズに十二分なパワー&トルクのフィールも好影響を与えているだろう。S3にはまだ試乗できてはないけれども、何もムリして280psを買わなくてもいいじゃないか、と、思ったほど。

ハッチバック同士で悩むとすれば、2リッターターボを積むゴルフGTIとどちらにするか。車両本体の値段はこちらの方が高いからだ。セダン狙いなら、ライバルはいない。
アウディA3セダン

デュアルクラッチトランスミッションのSトロニックを採用。1.4リッターには7速、1.8リッターには6速が備わる

ちなみに、全体的な印象として、セダンの方がスポーツバックよりも走りに落ち着きがあった。どっしり、とまでは言わないが、軽快さの代わりに洗練さを身につけたような、大人のドライブフィールである。

もうひとつ付け加えるならば、コクピットデザインの“ほどほどの元気よさ”が、運転している最中の気分をほどよく盛り上げ、ほどよく落ち着かせてくれる。逆に、ゴルフはピアノブラックの加飾など、少し見た目にうるさくて安っぽい。A3をあえて狙う意味は、そのあたり=プレミアム、にこそあった。

運転していて不満というものを感じる場面がほとんどなかったと言っていい。動作ひとつひとつがかっちりとしていて、アウディテイストに満ちている。マイルド志向のドライバーには少々窮屈かもしれないが、そこは好みの分かれるところ。だからこそ、VWベースのアウディというブランド&モデルズの存在理由があるというものだ。
アウディA3スポーツバック

アイドリングストップ機構も備え。JC08モード燃費はCOD付き1.4FSIが20km/l、1.4TFSIが19.5km/l、1.8TFSIクワトロが14.8km/lとなる

圧巻だったのは、高速道路での乗り味だった。スポーツバックには都合1000km以上試乗したが、高速走行時の安定感は、とてもじゃないが全長4.3mちょいのハッチバックカーとは思えないほどの上々レベル。ゴルフもよかったが、A3はさらに上をいく。セダンなら、もっといいはずだ!

たしかにゴルフよりも随分と高い。けれども、そう言われても、乗れば納得の1台で、ある。


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