キープコンセプトなハッチ、日本人ウケしそうなセダン

アウディA3スポーツバック

LSDと同等の機能をもつ姿勢制御装置、ESCを標準化した

まずは、スポーツバックから印象を述べよう。ゴルフよりやや長く細いため、間近で見るとふっくらとして少し大きなクルマにみえる。先代が03年から12年まで続いた長寿モデルだっただけに、もう少し“形の変化”があっても良かったように思うが、変わらないこともまた、ゴルフとの明確な差別化を狙う“プレミアムブランド”的デザイン戦略というわけだろう。ユニークなスタイリングコンセプトという点では、弟分A1の存在もあって、A3は逆におとなしく落ち着くことができた、ということなのかもしれない。

それでも、注意してみれば、前後の灯火類が最新アウディのトレンドにデザインされているし、ディテール質感も向上している。
アウディA3セダン

LEDポジションランプを備えるキセノンヘッドライトや、LEDテールランプを採用

セダンはどうか……。昔のゴルフ&ジェッタのように、骨格はほぼ同じ、トランクを付け足しただけ、なんて思われた方もいらっしゃるだろうが、なんと、ボディパネルで共通する部位はほとんど見あたらない。同じパーツは、ドアノブとミラー、グリル&エンブレム程度、だろうか。2台の写真を見比べると、サイドのキャラクターラインがまるで違うのが分かる。

ハッチバックでは辛かった後席の居住性も、セダンということで、はっきりと改善された。ライフサイクルでみても、セダンの方が青年ファミリー向け、である。対して、スポーツバックは若夫婦かエンプティネスターズ向き、であろう。

見た目にも、ハッチバックよりもグッと落ち着いてみえた。塊感をアピールしつつエレガントにまとめた、という点では、上級のA4を上回っているとさえ思った。これは日本人ウケしそうだ。
アウディA3スポーツバック

3D形状を活用したダッシュボードデザイン。エアコン吹き出し口はジェットエンジンをモチーフとした

インテリアは両ボディタイプで共通である。A1やTTのような、アウディコンパクトのスポーツコンサバ路線だ。すっきりとしたダッシュボードに、丸いエアコン吹き出し口が置かれ、計器類もシンプルに配された。スイッチ類が少ないと感じるのは、手元のMMIを活用するため。このあたり、使い勝手云々もさることながら、ユーザーのブランド囲い込み戦略の一環でもある。

ソフトバンクの3Gモジュールを組み合わせたアウディ・コネクトを積む。グーグルアースなど様々な情報提供サービスが受けられるほか、日本で販売されるクルマではじめて、車内Wi-Fi接続を可能にした。
アウディA3スポーツバック

セダンのラゲージ容量は425~880リッター、スポーツバックは340~1220リッターとなる