「経済的」「精神的」「教育的」の3つの視点で就活を支援する
私は現在仕事で就活生の親の支援をするということはしていないが、それでも知り合いの経営者の方から「うちの子も今年就活でさ~。小寺さん、親としてどう応援したらいいの?」と相談を受けることは多い。その時私はよく「就活用のお小遣いを出来るだけあげてください」と言う。
就活生も親の支援を得ることで就活で本来持っている力を発揮できる
実は現在の就活生が就職活動で費やす平均金額は15万4300円(ディスコ社調べ)。その中で最も支出として多いのが交通費で7万1400円。まぁそれくらいはかかるだろうなぁと思う親も多いかもしれないが、実はこの「交通費の経済的支援」に就活成功の秘訣が隠されている。
現在1人当たりの学生が1社内定を獲得するのに必要な企業応募数は約30社(リクナビ調べ)。そう考えれる選考や説明会も合わせると約40社から多い学生は50社以上の企業に訪問することになる。まさに営業マン並みの行動量だ。しかしもし交通費が限られていると、学生は会社説明会や選考の数を絞る。絞るとなると当然有名な企業や人気企業の割合は高まるから、内定の確率は低くなってしまう。
実はまず我が子が最低限1社内定を取るために出来る支援とは「交通費はちゃんとサポートするから、とにかくたくさん説明会や選考に行ってごらん!」と言ってあげることなのだ(決してブランド物の高いスーツを買ってあげることではない)。
また就活生であれば必ず志望企業に連続して不合格になり、落ち込むことがある。その時はぜひ「精神的な支援」として我が子を励ましてあげてほしい。その時は「頑張れ!頑張れ!」と叱咤するだけでなく、「あなたを評価してくれる会社はきっとあるから、安心して就活を続けてごらん」と本人の価値を認めてあげてほしい。心理学的にも親からの人格の承認というのは、それ以外の人からよりも大きな影響力がある。
そして、もしさらにレベルの高いサポートができないか、ということであれば「教育的な支援」もしてほしい。
実は、大学生というのは自分の親がどんな仕事をしているのかを意外と知らなかったりするのだ。そこで私も大学の授業などでも、社会人インタビューとして親に仕事のインタビューをさせることがあるが、これがまた効果が大きい。実際に昨年父親が地方銀行に勤めている学生で、最初はレコード会社を志望していたが父から銀行の仕事内容を初めて聞いて、進路先を金融に変え、みごと地方銀行の内定を獲得した学生もいた。
少し恥ずかしいかもしれないが、ぜひ就活という我が子が仕事や会社を真剣に考える時こそ自分の仕事や会社について話してあげて頂きたい。
※半分は愚痴になっても構わない(それも社会勉強の一環!)
そして親の考えや希望があれば、それを伝えた上で最終的な決断や選択は我が子を信じて、学生自身に委ねて頂きたいと思う。
以上の様な3つの視点で我が子を支援して頂ければ、就活で結果を出すことはそこまで難しいことではない。大切なのは親の期待を我が子に押し付けるのでなく、遠くからでもいいので見守りながら一緒に頑張ろう!という気持ちで就活に臨むことだと思う。