投資信託/要注意!投資信託のリスクと落とし穴

分配金利回りの高いJ-REITに投資する場合の注意点

1月末時点で、東証に上場されているJ-REITの本数は43本。この分配金利回りを平均すると、4.04%になります。これは、東証1部上場全銘柄の平均配当利回りに比べて十分に高く、J-REITに投資する妙味にもなっています。そこに落とし穴はあるのか。検証してみましょう。

鈴木 雅光

執筆者:鈴木 雅光

投資信託ガイド

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J-REITに投資をする際には、格付けをチェック

確かに、平均とはいえ4.04%という分配金利回りは、十分に魅力的です。この高い分配金利回りがもたらすメリットは何でしょう。

第一に、高いキャッシュフローが定期的に受け取れること。現在の長期金利や預貯金の利率、東証1部上場銘柄の配当利回り等と比べても、これだけの利回りで運用できる金融商品は、なかなか見つかりません。

第二に、高い分配金利回りが、J-REITの下値を支える可能性があること。J-REITの分配金利回りと長期金利の間には4%弱の利回り格差がありますが、これだけの利回り格差になると、特に銀行などの金融法人が、長期国債の代わりにJ-REITへの投資を積極的に行う傾向が強まってきます。結果、J-REIT全体の相場を下支えする可能性が高まります。

こうした点で、J-REITの投資妙味が高まっているわけですが、現在、東証に上場されている銘柄数は43銘柄あり、個人が直接、J-REITの個別銘柄に投資する場合、何を、どういう基準で選べば良いのかという問題が生じてきます。

まず、選べないという場合。現在、複数のJ-REITを組み入れて運用するファンド・オブ・ファンズが多数設定・運用されていることに加え、同じく東証に上場されているETFのなかには、東証REIT指数という、J-REITのインデックスへの連動を目標としたものがあります。これらを購入すれば、J-REIT市場全体に投資したのと同じ投資効果が期待できるので、特に初めてJ-REITに投資するという方には適しています。

次に、個別銘柄に投資して、より高い分配金利回りを得たいという場合は、ファンドごとの信用力をしっかりチェックする必要があります。

すべてのJ-REITには当てはまりませんが、大半のJ-REITは格付けを取得しています。現在、J-REITの格付けは、S&P、ムーディーズ、格付投資情報センター(R&I)、日本格付研究所(JCR)の4社が行っていますが、このうちS&Pとムーディーズは、比較的厳しめの格付けを行っています。したがって、この2社の格付けでAもしくはAAの格付けを取得しているJ-REITであれば、信用力が高いと判断できます。

もっとも、信用力が高いJ-REITは、その分、分配金利回りが低めになる傾向がありますので、多少のリスクを取って高い分配金利回りを狙うなら、R&IやJCRの格付けでAもしくはAAくらいのものを狙うと良いでしょう。

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