演歌・歌謡曲/現代によみがえる新・歌謡曲

歌謡曲は死んだのか?(3ページ目)

『歌謡曲』という言葉はすっかりすたれてしまった。1990年代初頭に『J-POP』という無味乾燥な言葉にその座を追われて以来、凋落はいちじるしく、今では社会的な存在感はほとんど無に等しい。歌謡曲は死んでしまったのか? たしかに言葉としては死にかけている。しかし、むしろかつての歌謡曲らしさを備えたJ-POPは近年になって数を増やしつつあるのだ。

中将 タカノリ

執筆者:中将 タカノリ

演歌・歌謡曲ガイド


どうなる2010年代

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2010年代


引き続きジャニーズ系アイドルも健闘しているが、売り上げ面では「AKB商法」、「秋元康プロデュース」のAKB48が1位を独走している。

AKB48は2005年に生まれたアイドルグループだが、同じ秋元康プロデュースということから1980年代におニャン子クラブを支持していたコアなファン層を取り込んでいる点に注目されたい。
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AKB48人気が最高潮の盛り上がりを見せる中リリースされた『恋するフォーチュンクッキー』。ミドルテンポで1960年前後のオールディーズを思わせる、親しみやすいナンバーだ。


また植村花菜『トイレの神様』(2011年度71位)、薫と友樹、たまにムック。『マル・マル・モリ・モリ!』(2011年度8位)が幅広い年代に支持される国民的ヒットとなった感がある。
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ドラマ、小説、絵本など積極的なメディアミックスも話題となった。曲のよしあしは別にして普遍的でおばあちゃん泣かせなナンバーだ。



新・歌謡曲の今後

いかがだっただろうか。

『歌手』、『アイドル』、また彼らの楽曲を供給する作家たちによる歌謡曲は子供からお年寄りまで幅広い支持を受けていたが、1970年代に最盛期を迎えたあと徐々に衰退。

1990年代初頭から『バンド』、『アーティスト』による自作自演のJ-POPが若年層に支持されて最盛期を迎える。

1990年代末から2000年代にかけて、J-POPの中に幅広い年代に受け入れられる"歌謡曲"的な要素を持った楽曲……いわゆる『新・歌謡曲』が出現している。
という流れだ。

僕自身、J-POPと呼ばれるようになってからのひとりよがりな内容のヒットポップスに物足りなさを感じていたが、今後、J-POPが商業的に生き残ってゆくためには"歌謡曲"的な要素が必要不可欠だということが客観的なデータをまじえながら解説できたと思う。

具体的な『新・歌謡曲』についてはまたこのコンテンツ『現代によみがえる新・歌謡曲』で紹介していきたい。
乞うご期待!
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