期待と不安でドキドキの新入生に『いつもちこくのおとこのこ』
これまで、園のバスに乗ったり、お父さんやお母さんと一緒に登園していた子どもたちにとって、1人で学校へ行くことは、ちょっとした冒険かもしれませんね。そんな子どもたちには、ぜひ、いつも遅刻ばかりしている男の子ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーのお話を聞かせてあげて下さい。勉強することを楽しみに、張り切って学校へ出かけていく男の子に、それはもう毎日、ワクワクする(?)ような出来事が起こるのです。思いがけない動物に出会ったり、高波に襲われたり……。そのために、毎日遅刻を繰り返し、先生に怒られてばかりですが、そんなことは気にしない! 今日もまた、大好きな勉強をするために、めげることなく元気に学校へ出発していきます。
学校生活以上に、登校途中の出来事に毎日ドキドキさせられるジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーの気持ち、よくわかりますね。退屈な日常を、何が起こるか分からない刺激的な毎日に変えていく楽しさやワクワク感がいっぱい詰まった作品です。「きっと、こうなるだろう」という読者の期待を、何度も見事に裏切って、面白さが増していくお話に、小さな読者たちから、拍手喝采がおくられること間違いありません。
詳しくはこちらでどうぞ → 遅刻するには訳がある?『いつもちこくのおとこのこ』
思わず大きな声で読みたくなっちゃう『いちねんせい』
ガイドには、小学校にピカピカのランドセルを背負った1年生が入学する頃になると、もう読みたくて読みたくて、うずうずしてしまう本があります。それが、今回ご紹介する『いちねんせい』です。『いちねんせい』は、詩人の谷川俊太郎さんとイラストレーター和田誠さんのコンビで作られた、大きな声で読みたくなっちゃう詩の絵本です。1年生にあがる子どもたちの気持ちに寄り添って、選び抜かれた言葉が集まり、内容だけでなく音としても、弾むような詩が生まれています。声に出して読んだときに、これほど楽しくなる詩の絵本も少ないのではないかしら。
1年生になる喜びだけでなく、不安・期待・空虚感・愛することなど、子どもたちが成長するにつれて、いつか向かい合い、感じたり考えたりしなければならない感情までもすくいとって、美しい(う~ん、時にはとんでもない?!)日本語に昇華させて読者を楽しませてくれます。
「うちの子が、詩の本なんて読むかしら?」という心配はいりません。毎年、この絵本を気に入って、何度も何度も繰り返し読んで、暗記してしまう子が続出の絵本なのです。
詳しくはこちらでどうぞ → まるで煌めく言葉の宝石箱 『いちねんせい』