漢検一級と漢検準一級では試験難易度が違う!それぞれの試験の範囲
漢検にチャレンジ!
2級に合格したのでさらに上を目指す、2級の内容では少し物足りない……、そういった方にはまず準1級を受検することをオススメします。なぜなら準1級と1級では、試験の難度に大きな開きがあるからです。ここで、準1級と1級の試験範囲を確認しておきましょう。
- 準1級:常用漢字を含めて、約3000字の漢字(JIS第一水準を目安とする)の音・訓を理解し、文章の中で適切に使える。
- 1級:常用漢字を含めて、約6000字の漢字(JIS第一・JIS第二水準を目安とする)の音・訓を理解し、文章の中で適切に使える。
これを見て分かるとおり、1級では準1級の倍の漢字が出題対象となります。しかも準1級の3000字のうち2136字が常用漢字ですから、準1級では900字近くを新たに覚えればよかったのが、1級では3000字を更に追加で覚えなければなりません。1級のトータル6000字を活用した熟語となると膨大な数となります。
これを覚えることは容易な事ではありませんね。一朝一夕では1級をクリア出来ないことは想像できるでしょう。1級というのは実にハードルが高いのです。では実問題を例に、準1級と1級の問題を比較的してみましょう。
漢検一級と漢検準一級の難易度の違いを実問題で確認!
まず、準1級と1級の読み問題で出題される語句の例を挙げてみます。どちらも『本試験型 漢字検定問題集』 (成美堂出版)の準1級、1級版から取り上げてみました。■準1級
- 音読み:胡乱 掩蔽 軒昂 杜撰 遡上 耽溺 鼎談 物怪
- 訓読み:煽る 阿る 宛ら 捌く 凌ぐ 轡 丙午 歪
■1級
- 音読み:覊束 翹望 愆過 苞苴 研覈 箕裘 鏘鏘 熱鬧
- 訓読み:剪る 諂う 跼る 殃い 忽せ 噬む 贐 鷦鷯
準1級は多少読むのが困難だとしても、どこかで見たことがあるような漢字が多くありませんか。ところが1級となると途端に難しくなり、見たこともない漢字のオンパレードになりますね。これが大きな違いなのです。故事成語・諺の問題も比較してみましょう。次の文章のカタカナ部分を漢字に直してみてください。
■準1級
- 骨折り損のクタビレ儲け。
- 鴨がネギをしょって来る。
- 玉のコシに乗る。
- エンオウの契り。
■1級
- イッポウの争い。
- 禍はショウショウの中より起る。
- 疾風にケイソウを知る。
- 大行はサイキンを顧みず。
こちらも準1級は割とよく耳にする故事成語・諺ではないでしょうか。1級はというと、あまり馴染みがないかもしれません。実際のところ、どの問題集にも載っていない故事成語が出題されることもありますから、1級の故事成語・諺の設問で満点を取るのはかなり難しいです。
これだけ見ると1級のハードルの高さに気落ちしてしまいがちですが、出来るところから気長にコツコツと勉強していけば、間違いなく合格できます。諦めずに続けること、これが漢検合格に向けた一番大事な事だと言えるでしょう。
<解答>
■準1級
- 音読み:うろん えんぺい けんこう ずさん そじょう たんでき ていだん もっけ
- 訓読み:あお おもね さなが さば しの くつわ ひのえうま いびつ
■1級
- 音読み:きそく ぎょうぼう けんか ほうしょ けんかく ききゅう そうそう ねつどう
- 訓読み:き へつら せぐくま わざわ ゆるが か はなむけ みそさざい
■準1級
- 草臥
- 葱
- 輿
- 鴛鴦
■1級
- 鷸蚌
- 蕭牆
- 勁草
- 細謹
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