新型エクストレイルの走りはなかなかレベル高し
昨年発売された新型エクストレイルにやっと試乗することが出来たのでレポートしたい。以前も紹介した通り搭載されるエンジンは147馬力の直噴2リッター4気筒のみ。迷わなくて済む? Dレンジをセレクトして走り出すと、意外や意外! 必要にして十分の動力性能を持っている。新型エクストレイル
乗り心地も良好。韓国製の『マンドゥ』というメーカー(ルノー・サムソンが採用しているという)のダンパーを使っているのだけれど、日本製よりずっと滑らかに動いてくれている。減衰力特性も良好。コーナリング速度はSUVと思えないほど高い上、素晴らしく安定してます。
4WDシステムは電子制御カップリング式。走り出しで25%ほどの駆動力を後輪にも伝達して発進時のスリップを防ぎ、走り出したら基本的に前輪しか駆動しないというシステム。泥濘地などで駆動性能をフルに引き出したいときは、スイッチで後輪の駆動力を増やすことが可能。
燃費も熱効率の高い直噴エンジン+アイドリングストップを採用することにより、従来型より20%程度改善してきた。ということで動力性能やハンドリング、4WD性能に関して言えば、なかなかレベルが高い。従来通りのクルマ選びの基準を当てはめれば上々ということになる。
しかし、ライバル車と比べると少し物足りない……?
しかし! 今やそれだけじゃ物足りない。さらなる燃費の良さや、自動ブレーキに代表される「ぶつからない技術」も重要。例えばSUVの販売台数No.1になっているマツダCX-5で言えば、自動ブレーキは当然、猛烈に燃費の良いディーゼルエンジン搭載車が高い支持を得ているのだった。搭載されている直噴2リッター4気筒エンジン
自動ブレーキも実力値で35km/hくらいまで(公表値は30km/h)。実力値で45km/h程度の自動ブレーキを備えるスバル・フォレスターに届いていない。つまり「得意技」を持っていないのだ。後出しなのに燃費でも安全でもライバルに遅れを取ってしまっている。
参考までに書いておくと、ハンドリングや乗り心地はCX-5&フォレスターだって負けていない。マツダとスバル、走る性能についちゃ妥協していないからだ。初期受注が順調なエクストレイルながら、継続して好調な売れ行きをキープしようとすれば早めのテコ入れが必要だと思う。