距離にも負けず
人前結婚式を執り行ってくれたのは、牧師の平愛香さん。指輪交換や宣誓、賛美歌合唱など、正式な式次第に則って行われました。
あいけん「6年前、共通の友達主催のホームパーティがあって、そこで知り合った。というのが公式な…」
——非公式な話が?(笑)
あいけん「実は、その前に会ってたみたいなんですけど、僕は憶えてなくて…」
brass「彼は有名人なので、話しかけたんですけど、泥酔してて記憶がなかったようで(苦笑)。そのホームパーティの時にやっと認識してくれました」
あいけん「はじめまして、みたいな(笑)」
——初めて認識して、それからは?
あいけん「二人で一緒に食事に行ったりとか」
brass「でも、知り合って1ヵ月後くらいに、僕が長期出張で福岡に行くことになったんです」
——いきなり遠距離恋愛?
brass「急に会社から『出張に行ってきて』って言われて…」
——ちゃんとつきあう前に離ればなれになると、あきらめちゃう人も多いと思うのですが…。
brass「幸いにしてそれはなかった。出張経費で飛行機代が出たので週末は頻繁に東京に帰れましたし、何度か福岡にも来てくれて。約4ヶ月間行ってたけど、3回くらい来てくれた」
宣誓書へサイン。思わず涙があふれます。
あいけん「まあ、もちろん好きだったっていうのもありますし。幸い、福岡に何人か友達もいるので、友達に会いつつ、いっしょに食事したりしていたのでそんなに苦ではなかった」
——brassさんは、あいけんさんのどういうところが?
brass「もともと以前から、かわいいと思ってた。最初は、距離ができて戸惑ったけど、出張が終わったら真剣につきあいを考えようと思ってた」
——どちらからつきあおうと?
brass「知り合って数ヵ月過ぎた頃に1回つきあいませんか?って言われたんですが、距離があったのと、前の人と別れてそんなに時間も経ってなかったので、まあまあ落ち着けと。ちょっと言葉は悪いけど保留、みたいな」
——前の人というのは?
brass「お互いにそんなに別れてから時間が経ってなかったんですけど、ちゃんと気持ちが切れてるのかな?というのが心配で。ですが、福岡の飲み屋さんで他のお客さんと『彼氏いるの?』って話になって、悲しそうに『今いません』と答えていて…そんな返事をさせている状況が申し訳ないなと思って、その場でつきあっていこうと決めました。自分ではお店の中で聞こえるように言ったつもりなんだけど、誰も聞いてなくて(苦笑)」
——ちょっと待たされたけど、めでたくおつきあいすることになった。今はいっしょに住んでるんですか?
あいけん「もともといっしょに住んでたんですが、仕事の都合で今は職場の近くで一人暮らししてます」
brass「去年の7月までいっしょに暮らしていたんです」
——つきあうことになってから、どれくらいで?
あいけん「半年くらいです。9月につきあいはじめて、翌年の2月にはいっしょに暮らしはじめて」
brass「つきあいはじめてすぐ、どちらかの家に毎日のように泊まりに行っていた。結局どちらかの家に毎日泊まっているので家賃がもったいないし、じゃあいっしょに住もうかと。ぼくは恋人といっしょに住むのは初めてじゃなかったけど、彼は初めてで」
あいけん「友達と住んでたことはあったんですが、彼氏と住むのは初めてで。最初は距離がつかめなくて、戸惑いながら」
——初めての同棲っていうのは、どうでした?
あいけん「うん、楽しいです。帰ったらそこにいるとか、ご飯作って待ってたりして、食べてくれる人がいるのが、幸せ」
brass「彼は一人暮らしの頃は、さびしいから全然家にいなくて、呑みに行ってばかりだったとか」
——一般的に、最初の2~3年くらいはラブラブだけど、いっしょに住むとアラが見えてきたり、ケンカしたりってことがあると思います。そういうのは大丈夫でした?
あいけん「幸いあまりなかったですね」