眠る部屋なのに天井から強い光で照らす寝室を変える!
寝室は眠るための部屋ですから、就寝前にゆっくりとくつろげるあかりをおすすめします。下の写真の寝室では、照明は天井直付けの蛍光灯シーリングライトのみとなっています。
このシーリングライトは調光もできないので点灯か消灯の選択しかなく、また、寝室の照明としては少々明る過ぎます。そのうえ、直接光が頭上から降り注ぐ形になっているため、せっかく眠りにつこうとしても、かえって目がさえてしまいそうですね。
眠る前と就寝中など、状況に合わせてあかりを選択
主照明を調光・調色・間接光のある多機能なLEDシーリングライトに取り替え、テーブル上や床などの低い位置を中心に、LEDスタンドライトを取り入れた例が下の写真です。以前に比べて、くつろぎを感じさせる寝室になりました。
LEDシーリングライトは調光・調色機能を持つタイプなので、手元のリモコンで光の色や明るさを調整できます。朝、起床時は昼白色で部屋全体を明るく、夜は間接光を多用してくつろぎ感のある光にするなど、その時々のシーンや気分によって光の演出をすることができるようになっています。
以前、「LEDの色・あかりにはどんな種類がある?」でサーカディアンリズムについて説明しましたが、就寝前にまぶしさを感じるような強い光を浴びると、眠りを妨げたり、不快感を覚えることがあります。不快感を覚えるようなまぶしさのことを専門的には「グレア」と呼びます。
ちなみに、長時間グレアのある状態が続くと、単純にまぶしくて不快なだけでなく、目の痛みや頭痛を覚えたり、ストレスを感じることもあります。また、どちらかというと、高齢者の方のほうがグレアを感じやすいようです。そのため、照明を考える際にグレアを防ぐことはとても重要で、とりわけ寝室のあかりには、必須事項だといえるでしょう。
「グレアのある光は眠りを妨げますので、グレアのない間接光を多用した照明計画にして、就寝前に強い光を浴びずに過ごせるように配慮しました(吉田さん)」。
多灯分散でシーンに合った演出を楽しみつつ省エネにも貢献
今回、ダイニング、リビング、寝室と用途の異なる部屋の照明計画を見てきました。照明器具を変えるだけで、部屋の雰囲気ががらりと変わったことに驚かれた方も多いのではないでしょうか。そのポイントは、一室一灯から多灯分散のプランに変更していることが挙げられます。
多灯分散であれば、どの照明を点灯・消灯するかによって、いろいろなシーンに幅広く対応させることができます。しかも、調光・調色機能を持つ照明器具を加えておくことで、より柔軟に光を調整することができるでしょう。
そして、LEDはもともと省エネであることが特長のひとつですから、たとえ、多灯になっても電気代の心配は無用です。むしろ、シーンによって複数の照明器具から最適なものを選択し、不要なものを消灯することで、電気代削減にもつながります。
今回ご提案したビフォーアフターが電気工事が不要で、既存の引っ掛けシーリングなどを利用した器具交換や、コンセントに差すだけのスタンドを活用するなど、誰でも簡単に出来る内容です。ぜひ参考にしていただき、手軽な“あかりの模様替え”を実践してみてはいかがでしょうか。
照明器具の取り替えを考える際には、「住まいのLED照明 選ぶポイント」も、ぜひ、参考にしてください。
【参考】