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男性のひとり暮らしは「孤立」しない街がおすすめ

東京23区では2軒に1軒がひとり暮らし。まさに独身天国です。気楽で楽しいひとり暮らしも、何らかの理由で孤立するという負の部分があることも看過できません。そして社会的孤立や孤独死はなにも高齢者に限った問題だけではないのです。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

孤独死が上昇するのは50代のシングル男性

マンション

マンションいまや男性の5人に1人が一生、結婚することなく人生を終えるといわれています。そして、増えているのが孤独死。

若い世代が孤立する主な原因は、単身世帯の増加や失業です。勤労という形で社会参加できないことが経済的自立を困難にし、非婚を招きます。その結果、社会的孤立を余儀なくされてしまうのです。そして、社会的孤立がたどる究極の終末は孤独死です。

実は、孤独死は高齢者に多いのではありません。男性の孤独死は50歳から上昇します。65歳以降から上昇する女性の孤独死と比べると、時期も早いのですが、孤独死率、数とも大幅に上回ります。

また、生活保護率が高く、平均所得が低く、失業率が高い区で男性の孤独死が多い結果が出ています(女性にはそのような相関関係はありません)。仕事をしていれば、1日でも無断欠勤すると、心配して会社が様子を見にくることが多いでしょうから、孤独死と失業は結びつきがあるといえるでしょう。

23区で男女あわせて孤独死が多いのは、足立区、練馬区、大田区、板橋区、世田谷区、江戸川区(平成24年度東京都における孤独死統計)の順でいずれの区も年間500人を超しています。


孤独死は男性シングルに多い

男性の孤独死が女性より多いのはなぜでしょうか。

孤独死した人の遺品整理業の人に話を聞くと、孤独死する男性の特徴は、ゴミ屋敷に住んでいて、ごったがえしたモノのなかから糖尿病や心臓病の薬、焼酎のびん、お弁当のプラスチックケースが必ずといっていいほど出てくるのだそうです。

料理、片付け、掃除、洗濯などの家事とは無縁の生活のなか、お酒や脂肪・糖質過多の外食にたよることで健康を害し病を得る、そのことでより自暴自棄になり、ダメと知りつつ、ついまたお酒に手が伸び、病状を悪化させ死に至る。近いところに生活改善を促してくれる家族や友人・知人がいればいいのですが、失業などによりそうした縁も薄れている。何ともやりきれないことですが、同じような境遇にみまわれれば、誰もがおちいりそうなことのように思われます。


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