アメリカの研究で分かったテレビが子供に与える悪影響とは?

この研究は、未就学児童107人とその親を対象に行われました。質問内容は、
  • テレビの視聴時間
  • 寝室にテレビはあるか?
  • バックグラウンドTVをしているか?
このバックグラウンドTVとは、バックグラウンドミュージックのテレビバージョン。つけているけれど、見ていない状態のことを指します。

調査の結果分かったのは、自室にテレビがあり、バックグラウンドTVにさらされている子は、相手の思いや感情、望みなどを感じ取る力が弱いことが分かりました。

このような影響が出る原因を、研究者達は、次のように説明しています。

「テレビを見て過ごす時間が増えると、現実世界とのコミュニケーションが減る。つまり、生身の人間と会話をしたり、関わったりすることが減ってしまうことで、相手の立場になって考えることが苦手になってしまう」


テレビは見たい番組だけ、見ないのなら消す習慣を

この研究で分かったのは、なんとなくテレビをつけたまま他のことをしている、という状態もよくないということ。このバックグラウンドTVについては他にも研究があり、そこでも悪影響が示唆されています。

なぜ良くないのかというと、テレビがついていることで、注意力が散漫になるから。遊びにも集中していない、親子間の会話も滞る、考える作業も減る、とすべてが中途半端で、1つのことに集中できていない状態が常習化してしまうのです。

これまでも、テレビが与える子供への影響は色々と言われていて、私もこれまでに、テレビと子供の暴力性の関係などについて書いてきました。しかし、今回の研究で分かったことは、もっと人間の根本的な発達に当たる部分。

相手が何を感じているか、どう思っているか、何をしたいのか、これらを察する力は、その子の人間関係や社会性に大きな影響を及ぼす部分です。それゆえ、この研究結果を真摯に受け止め、私達ひとりひとりが、親として配慮をしていくべきと感じています。

長年、外国に住んできて、多くの外国人と触れてきて感じるのは、日本人ほど、相手の気持ちを察することに長けている人達はいません。「相手を思いやる気持ち」は、子供達に伝えていきたい大切な日本の美徳の1つです。その美徳を大切に育むためにも、まずは、テレビは見るときだけつける、ながらテレビはしない、を心がけていきましょう。

*出典:Journal of Communication (2013) 「The Relation Between Television Exposure and Theory of Mind Among Preschoolers」より


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