キャリアにおいて、結婚や出産・育児といったライフイベントは、どのような仕事に就くのか、どのように働いていくのかと切り離して考えることはできません。今回はキャリアを考える際に必要な「ライフイベントへの備え方」についてお伝えします。
ライフイベントを考える時間をもとう
今回の生活トレンド研究所の意識調査では、男女ともに、年齢が高くなるごとに、「いつかは結婚したい」と回答した割合が減少し、「結婚はしないと思う」「結婚願望はない」と回答した割合が増加傾向にあることがわかりました。「自分自身の結婚について」生活トレンド研究所調査結果
結婚や出産といった「ライフイベント」に対する価値観は、経験や年齢を重ねていくことでも変化をしていきます。そのため、定期的に自分自身を見直して、キャリアをどう築いていくかを考えることはとても大切です。
その際に意識しておきたいことは、「起こらない」こともあることを想定し、準備をすることです。キャリアを考えるにあたり、起こるイベントは想定しやすいですが、起こらないイベント=「ノン・イベント」は、なかなか想定しにくいものなのです。
ライフイベントの種類を知る
ライフイベントは備えが肝心
予想通りの出来事とは、就職や結婚、出産、転職など、自分自身がある程度予想していたことが現実におこることです。病気や家族の死と言った悲しいことも含めて、ある程度予想していたとおりに起こるライフイベントです。
予想外のこととしては、自然災害や、事故や怪我といったことや、リストラや離婚といった、起きてほしくなかったということが多いものですが、宝くじがあたった、思ってもいなかった会社からスカウトを受けて就職したといった、サプライズなことも含まれます。
一方、ライフイベントにおいて実は見落とされがちなのが、「起こらない」こと、つまり「ノン・イベント」です。
例えば、結婚する、子供を産む、就職する、昇進する、といった、未来予想図に組み込んでいた出来事が「起こらない」ということです。結婚するはずだったがしなかった、就職先が決まらなかった…ということが、実際には人生の中ではたくさんありえます。
想定していたライフイベントが起こらない場合がある、ということも頭の片隅にいれておいて、その場合の対処法を考えておくことも、キャリアを考えるにあたっては大切なのです。
ノン・イベントに備えるには
結婚、「する?」「しない?」
ノン・イベントへの備え方としては、仮期限もたてておくことです。たとえば、結婚であれば、「何歳までに」結婚したい、といった仮期限を決めておくこと。
自分で決めたその仮期限に近づいた時に、もう一度自分の考えや状況を見つめなおし、再度、仮期限をたてなおしたり、もしくはそのイベントを組み込まないという選択をする時間をもつことで、仕事など、結婚以外のことも含め、どうしていこうかと考える機会が定期的にもつことができます。
そして、期限が来たら、自分自身でできる行動を計画しておくことで、ノン・イベントに備えることができます。昇進を目指す、資格をとる、転職をする、婚活をする…というような、自ら行動を起こすことを計画しておくだけでも、「時期を逃した…」と悔やんだりすることを、減らすことができるでしょう。
また、パートナーの協力や理解が必要なことならば、仮期限を一緒に設定したり、相談することも忘れずに行いたいものです。
今回の調査では、「結婚できるかどうかわからない」、「結婚はしないと思う」、「結婚願望はない」理由として男性に多かったのは「出会いがないから」、「自分の収入が低い/不安定だから」で、女性に多かったのは「他人と暮らすのが面倒だから」、「出会いがないから」であり、年代によってもその理由は異なってきます。
さまざまな価値観がある現代では、パートナーも同じ価値観であるとは限らないからこそ、話し合う機会をもつことも、お互いの人生にとって必要でもあると言えます。
キャリアは想定外の連続です。だからこそ、想定外のことを受け入れる意識を持つこと、定期的に自分自身の価値観を見直すことで、長期的にかつ満足できるキャリアを築いていくことができるのです。