五輪はアスリートだけもののじゃない。放送技術の祭典でもある!
ソチ冬季五輪開幕まであと1週間。ジャンプの高梨や好調のノルディック、世代交代を果たしたフィギュアスケートなど日本選手の活躍が期待されます。今回はソチ五輪を見るテレビを選んでみましょう。五輪はアスリートの祭典であると同時に放送通信技術の祭典でもあります。4年に一度開催される度に最新の技術が投入されてきました。テレビ大衆化の立役者となった東京五輪(1964年)まで遡らなくとも、ハイビジョン(アナログ)の美しさに息を呑んだバルセロナ大会、アルベールビル大会(1992年)、BSデジタルハイビジョンの高精細度が目に生々しいシドニー(2000年)、アテネ大会(2004年)、地上デジタル切り替え時期に薄型テレビの増産を後押しした北京大会(2008年)が思い出されます。
それでは、ソチ冬季五輪放送は何を見せてくれるでしょうか。いうまでもなく4Kです。残念ながらライブの4K放送は予定されていませんが、五輪は4Kテレビで見てほしいのです。
国内各社の4Kテレビは、ハイビジョン放送の元々の原画解像度を判定して、放送プロセスで失われた情報を復元し4K解像度で表示する機能を持っています。今回の五輪の放送に4K以上のスペックの機材が多数投入されると推察されますので、ハイビジョン放送であっても4Kで見る価値は高いのです。
それでは、ソチ冬季五輪を見るのにお薦めのテレビを三製品挙げてみましょう。
第3位:シャープ クアトロンプロ
フルハイビジョンパネルで4K解像度を実現したシャープの“ウルトラC”
今回選んだ製品の中では導入しやすいサイズの46V型。パネル自体は2Kつまりフルハイビジョンパネルですが、4K解像度を得られるテレビです。一般のTFT液晶パネルは赤、青、緑の3つのサブフィールドが一画素を構成しますが、クアトロンパネルは赤、青、緑に加え黄を含む4つのサブフィールドが一画素を構成しています。詳しくは下記の既出記事を見てください。
■クアトロンを使い4Kへ 新しいアプローチするシャープ
http://allabout.co.jp/gm/gc/435241/
これを利用し「超解像分割駆動エンジン」で水平垂直の画素を倍増し2Kパネル(1920×1080)で4K(3840×2160)に相当する解像度で映像を表示します。
実際に視聴すると、画面のフォーカス感のきめ細かさは4Kのそれ。価格もサイズも手頃なので一見の価値のあるテレビです。
第2位:パナソニック ビエラTH-L65WT600
インターネットの4K動画を4Kで表示出来る!
五輪公式スポンサーのパナソニックが初めて発売した4K液晶方式テレビ。プラズマ方式から撤退を決定した同社のフラグシップです。画面解像度3840×2160のIPS方式4Kパネルを搭載します。
明るく艶やかな放送映像はもちろん、本機の魅力は「4Kスマート機能」の搭載。インターネットのブラウザが4K表示対応となり、4K画質で公開されているオンライン動画が4K画質で見られます。4K放送がスタートしない現状で五輪のハイライトシーンを高画質ネット動画で見ようという提案です。地上デジタル放送全チャンネルの24時間表示もスポーツ観戦向き。
第1位:ソニー ブラビアKD-55X8500A
原画の解像度を判定し、オリジナルの情報を復原するインテリジェントテレビ
第1位にソニーの4K第二世代の中核機種を選びました。先行して発売の上位機9200Aのオーディオを簡略化し価格をダウン、4Kテレビがぐっと身近になりました。
本機の魅力は「4K X RealityPRO」。データベースを使った超解像でオリジナルが4Kと判断すると原画像のディテール情報を復元し、ハイビジョン映像を情報量で大きく上回る4Kにアップグレードします。
カメラを始め業務用放送機材はソニーが強い分野、今回の五輪でも幅広い競技に使われると予想されますので、同一メーカーの強味を発揮して本機がリビングで活躍しそうです。パウダースノーにまみれる臨場感をお望みなら本機をどうぞ。