住まいとは本来、そこに住む人皆の身体や心を休め、安らげる場であるべきところ。でもその住まいにいることによって、ひときわ体調が悪化してしまう、という皮肉なケースがあります。

「会社や学校に行くと軽快する」「旅行先ではいっさい症状が出ない」……そんな鼻炎や咳や身体の痒み。もしかしたら、あなたの住む、その家……それも「掃除の仕方」に原因を見出すことのできる、「アレルギー症状」なのかも知れません。


住まいの中のアレルゲン

原因不明の体調不良。もしかしたらアレルギー?

原因不明の体調不良。もしかしたらアレルギー?

人の身体に不可欠な免疫機能。この機能の異常反応を、広く「アレルギー」と呼びます。アレルギーによる体調不良(アレルギー疾患)は主に皮膚と粘膜に現れますが、なかでも「ぜんそく・ぜい鳴」「アトピー性皮膚炎」「アレルギー性鼻炎」は良く知られ、また多くの患者を擁しているものです。

アレルギー疾患の原因を「アレルゲン(抗原)」と言いますが、ごく普通の住まいの中にも、このアレルゲンは多く存在しています。なかでも代表的なものが「カビ」、そしてカビのいるところに必ず繁殖している「ダニ」です(双方を含んだホコリ全般を「ハウスダスト」としてアレルゲンに括ることもあります)。

もともと気候が高温多湿に傾いている日本にはカビが多く生息しています。そこに昭和40年代以降普及した住宅用アルミサッシによって窓からの隙間風が少なくなり、住まいが気密性を高めていったこと。エアコンによる「年間通じた室内気温の安定」が図られるようになったこと。付随した住まいの「換気不足」。これらの条件があいまって、より住まい内においての「カビ」「ダニ」の生育環境を整えてしまう、皮肉な結果となったのです。

こう断言されるとショックかも知れません。でも、カビ(の胞子)や、ダニが一切存在しない住まいなど、どこにもないと言っていいでしょう。どんなに綺麗そうに見えるお宅であっても、必ず部屋の空気中にカビの胞子が漂い、床に近いところではダニが蠢(うごめ)いています。ただ、その「数」を増減させるのは、そこに住む「人」です。