販売価格を変更するとき
家や土地を販売しているにも関わらず、なかなか成約に至らないとなると、なんらかの手を打たなければなりません。賃貸であれば敷金や礼金の額、広告料の有無やフリーレントなどの募集条件を変更することで、停滞した消費者の流れを再度作り出すことは可能です。しかし売却となるとそれほど打てる手が多くないというのが現状です。折込広告の配布エリアを今までとは変えてみるだとかその程度で、やはり販売価格を下げるということが単純ですが即効性があり一番効果的です。
ただし、戦略もなく価格をただ下げればそれで良いのかというと、そんなに簡単な話ではありません。値下げ一つとっても効果的な下げ方と、効果が出にくい下げ方があります。まずは効果が出にくい下げ方から見ていきましょう。
小刻みな値下げを繰り返す
ポータルサイトに条件を登録しておくと、少しでも変更されれば新着物件として扱われます
レインズやポータルサイトでは、実際はほんの少しの変更だったとしても、登録情報が更新されるので、まるで新着物件のように扱われます。ですからより多くの人の目に触れさせるために、意識的に小刻みな価格の下げ方を行っているのかもしれません。
しかし残念ながら期待したほどの効果は現れないのが現実です。なぜなら今の買い手は不動産会社と同様(もしくはそれ以上)に、物件の動向を事細かに非常に良く観察しています。プロの不動産会社よりも情報に敏感な人は数多く存在します。
売り手の足元を見られる可能性も
そうした買い手は、ポータルサイトで「新着物件!」として上がってきたとしても、以前から販売している物件が少しだけ価格変更したに過ぎないということくらいすぐ把握してしまいます。このような細かな価格変更を何度も繰り返していると、買い手は「価格が下がったことをきっかけに」というよりは、「また下がった」「どこまで下がるのか?」「もう少し待ってればまた下がるかもしれない」と売り手の足元を見始めてしまうのです。
結果どうなるかというと、売却するために価格を下げたのにもかかわらず、逆に売れづらくなり、意味のない価格変更となってしまうのです。
では逆に、効果的な価格変更というのはどういったものでしょう?次ページで解説していきます。