和食

幅広い料理が存在する「和食」

「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録された。あらためて考えてみれば、「和食」は私たちにとって身近だけどどこか遠いような存在。歴史に守られた伝統料理から、カレーやラーメンなど発祥は外国だけど日本人のアレンジ力でもって今やれっきとした和食の一つに数えられている。「和食」、その幅広さや奥深さは計り知れない。そしてその楽しみ方は自由だ。

和食には日本酒・焼酎がつきものだけど、ワインとの組み合わせも拒否には値しない。和酒では体験できない新しい味わいを体験できるからだ。ここで、和食に合うワインをいくつか提案してみよう。まずは「魚」を主とした代表的な料理5種を軸に、合うワインの特徴と、なぜおいしいのかとそれに見合う銘柄を各1種づつセレクトしてみた。さて、新しい和食の美味しさを体験できるか。ぜひお試しあれ。


刺身(マグロ)

和食には合わせやすいブルゴーニュ産、ピノノワール

和食には合わせやすいブルゴーニュ産、ピノノワール

コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュ・レ・コンボット 2004 
/ドメーヌ・ダルデュイ  4940円

魚には白ワインと思いがちだけど、全部が全部そうというわけではない。これポイント。たとえばマグロやカツオなど赤身の魚、ブリや鯖、秋刀魚などの青魚。脂がのった部位などの刺身は白ワインより赤ワインをおすすめしたい。ちなみに、イカやエビなど甲殻類や魚卵も白ワインだと生臭く感じてしまうことも多いから赤がいい。

また、刺身は基本的に醤油をつけて食べるもの(例外もあるが)。醤油は意外に風味が強い。これに負けないでしっかり美味しさを感じさせてくれるのもやはり赤ということになる。もちろん繊細な刺身のこと、あまり渋味や果実味が強いワインでは刺身の味が消えてしまうので、比較的柔らかくて繊細な味の赤がベスト。

ここでは、フランス、ブルゴーニュ地方のピノ・ノワール種を使った赤をおすすめしよう。できれば熟成したものの方がよく合う。若くてフレッシュでジューシーなワインはあまり合わない。なぜなら、刺身にブドウジュースが合わないのと同じこと。でも難しく考えないで。軽快な赤ワインならおおむねよく合う。赤身のお寿司も同様と考えて。醤油に赤ワインを垂らす、などという技もアリ。


寿司(いろいろ)

比較的お手頃に楽しめるシャンパーニュ、家飲みにもいい

比較的お手頃に楽しめるシャンパーニュ、家飲みにもいい

 シャンパーニュ・ジャン・デュクレール・ブリュット/バロン・アルベール 3200円

世界の和食人気は寿司がけん引していると言っても過言ではない。みんな、寿司がだ~い好きだ。寿司に合わせるならスパークリングをおすすめしよう。なにしろ、心地いい泡が口中を洗い流し清らかに新鮮に楽しませてくれるから。

また、寿司はいろんなネタがあれこれたくさん出てくるもの。これをひとまとめに引き受けてくれるのはやっぱりスパークリングとなる。

特におすすめはシャンパーニュ。澱ととも長い間寝かせて造られるシャンパーニュは他のワインやスパークリングより旨味成分(アミノ酸)が多いのだ。魚介のネタやすし飯の旨味としっかり同調してくれる。また、シャンパーニュ特有の酸味がお酢とのバランスをとってくれて、飽きない組み合わせになる。それにシャンパーニュは気分的にもゴージャスでしょ。そんなところも寿司にピッタリじゃない。



ウナギのかば焼き

シラー

南フランスの地酒だが、そのクオリティは定評がある

ドメーヌ・ド・クーテル・レ・イリス 2006/ミッシェル・テロン 2300円

ウナギ料理は世界中にあるけれど、日本のかば焼きほどおいしい料理法は他にないだろう。和食、万歳!なのである。

脂がのったうえに香ばしさがあり甘辛タレが後を引くかば焼きには、しっかり渋味とスパイシーさがある赤ワインが定番だ。そう、鰻&ワイン好きの間ではこの組み合わせは知られるところだ。

ワインの渋味がウナギの脂分やタレの濃厚さを中和する。プラス、かば焼きに欠かせない山椒の風味とワインのスパイシーさが同調してこれまたおいしくなるというわけ。

渋味があってスパイシーと言えばシラー種だ。南仏原産のシラーの赤は、同じく南仏のハーブやスパイスを使った料理の相性がいいように、日本のスパイスとも素敵にマッチする。お勧めのワインは南フランス産シラー種60%のスパイシーワイン。かば焼き以外にも、肝焼きにも合うし、ご飯ありご飯なしどちらにもワインを合わせて構わない。かば焼きのご飯は十分におつまみになるからね。

ちなみに白焼き+ワサビには同じくスパイシーなヴィオニエ種や清々しい香りのソーヴィニヨン・ブラン種がお勧め。