ローマ/バチカン市国

バチカンの祝日・イベント・教皇謁見

バチカンの祝日・イベント・教皇謁見についてお伝えします。バチカン市国はイタリアの中の外国です。イタリアとは違う祭日があることなど、知っておくと便利です。また日曜のお告げの祈りアンジェラスや水曜の教皇謁見に行けば、生の教皇フランシスコが見られますよ!

酒井 香織

執筆者:酒井 香織

ローマガイド

バチカン市国はイタリアとは違う国! 祝日はどうなっている?

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2013年3月13日、システィーナ礼拝堂の屋根の煙突から白い煙が出て、鐘が鳴り響きました。新教皇が選出されたこの日は、バチカン市国の新しい祝日となりました

まず知っておきたいことは、バチカン市国(Città del Vaticano)は、イタリア共和国の中にある別の国ということ。サンピエトロ大聖堂やバチカン博物館を訪れるのにパスポートは要りませんが、イタリアとは違う国であることを意識しておく必要があります。

祝日も、バチカンとイタリアでは違うものがあります。サンピエトロ大聖堂では平日か祝日かによりミサの時間が変わり、ミサがある礼拝堂は見学できないので、あらかじめ知っておくと役に立ちますよ。

バチカン郵便局も、祝日にはクローズ。バチカン博物館も、基本的にバチカン市国の祝日には休館になります(ただし、復活祭の時期と8月と12月の連休はその限りではありません。詳しくはバチカン博物館開館カレンダーをご覧ください)。

具体的なバチカンの祝日は、バチカン薬局のカレンダーを参考にしてみてください。バチカン薬局は、職員やその家族など一部の人しか利用できませんが、バチカンの祝日が一目瞭然で便利です。
   

お告げの祈りアンジェラス

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アンジェラスでは教皇宮殿最上階、右から2番目の窓から教皇がお話をされます

毎週日曜日12時になると、教皇宮殿の最上階右から2番目の窓から、教皇がお告げの祈りアンジェラス(Angelus)でお話とお祈りをされます。広場には一目教皇を見ようと、世界中から多くの信者が訪れ、大変混雑します。実はこの間も聖堂は開いていますが、まず入場する人はいません。アンジェラスは15分ほどで終わりますが、そのあとすぐ聖堂内の司教座祭壇でミサが始まります。アンジェラスのあとは、聖堂に入場しようとする人でとても混雑します。復活祭から精霊降臨祭の間には、アンジェラスの代わりにレジナ・チェリ(Regina Coeli=天の女王)のお祈りをします。

Rai1やRai Newsなどテレビでも生中継されますので、直接広場に行けなくても、ぜひ15分間、教皇フランシスコや信者の方々の表情を見てみてください。アンジェラスの最後には、教皇フランシスコは集まった信者の方に、必ず親しみを込めて"A tutti auguro una buona domenica. Per favore, non dimenticate di pregare per me. Buon pranzo ed arrivederci!"(皆さんよい日曜を。どうか私のために祈るのを忘れないでください。そしておいしい昼食をどうぞ。ではまた!)とあいさつをし、広場には鐘が鳴り響きます。この一言を聞いて温かい気持ちになってから、皆さまも日曜日のランチをどうぞ!

 

教皇謁見

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謁見のために広場に集まった信者に、車で移動しながら祝福を与える教皇フランシスコ

毎週水曜日10時半からは、教皇一般謁見(Udienza generale)があります。教皇謁見のためには収容人数12000人の謁見ホールがありますが、天候や事情が許す限り、教皇フランシスコはより多くの人を迎えられるサンピエトロ広場で謁見を行っています。
 
教皇謁見のためには収容人数12000人の謁見ホールがあります。

室内の謁見ホール


この日は早朝から広場に人が集まります。謁見の日は、広場に入るのにもセキュリティチェックがあります。謁見のための無料のチケットを事前にもらっておくと、椅子があるスペースに入ることができるのですが、チケットがなくても広場に入ることはできます。逆にチケットを持っていても、早く行かないと椅子席はすぐに満席になってしまいます。公式には10時半開始となっていますが、教皇フランシスコはもっと早い時間から広場に出ています。信者の方に祝福を与えるために車で広場中、時にはバチカン市国のテリトリー外のコンチリアツィオーネ通りまで出て行くのです。

謁見チケットをもらう場所は、大聖堂に向かって左側にある教皇謁見ホール(Aula Paolo VI)ですが、ブロンズの大扉でもらえることもあります。大人数の場合は事前にFAXや手紙で予約することもできます。担当はPrefettura della Casa Pontificioです。
 
謁見チケットをもらう場所は、大聖堂に向かって左側にある教皇謁見ホール(Aula Paolo VI)ですが、ブロンズの大扉でもらえることもあります。

教皇謁見チケットの受け取り場所(Aula Paolo VI)を説明するパネル


謁見に行く方は、上の写真の信者の方のように、バチカンカラーの黄色いハンカチやスカーフなど持って行って思いっきり振ってくださいね。

謁見がある日は、聖堂は朝7時の開館時から13時くらいまで閉まります。聖堂が開くと、広場にいる人が一斉に入場しようとするので、大変な混雑となります。

その他、特別なミサが広場である場合、広場に入るためにセキュリティチェックがあり、ミサの間は聖堂は閉まります。

2014年3月20日復活祭の教皇ミサにはサンピエトロ広場に15万人の信者が集まりました。2014年4月27日に広場で行われたヨハネ・パウロ2世とヨハネ23世の列聖式には80万人もの信者が訪れました。(この大イベントのために4月27日に予定されていたサッカーの試合ローマ対ミラン戦も25日に変更され、そのことを知らなかった多くの日本人観光客が本田選手の試合を見損なっていました。)このような特別なミサや、謁見やアンジェラスがある日には、世界中から多くの信者が集まります。聖堂や広場はもちろんのこと、バチカン市国周辺の道路も信者グループが乗ってくる大型バスで大混雑します。
 
復活祭の教皇ミサにはサンピエトロ広場に15万人の信者が集まりました。

2014年4月27日ヨハネ・パウロ2世とヨハネ23世の列聖式


アンジェラスや教皇謁見などの最新スケジュールは、バチカン市国公式サイトに載っています。教皇フランシスコがバチカン外の小さな教区教会を訪問したりすることもありますので、スケジュールをチェックしてみては。

また2016年のいつくしみの特別聖年の間は、土曜日にの謁見を行っているようです。いつくしみの特別聖年スケジュールは、聖年公式サイトをご覧ください。

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※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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