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データで見る!子供が万引きする心理と原因・対処法(2ページ目)

未成年の万引き検挙人員はかなり減っては来ていますが、今なお、青少年の犯罪の中で最も多いのです。万引きによる年間被害総額は4600億円にもなっています。我々はこのことをもっと深刻に受け止めなければなりません。

上野 緑子

執筆者:上野 緑子

幼児教育ガイド

万引きをしてはいけない理由~悪いことは悪い

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万引をしてはいけない理由

小中高で「だれが何と言おうと悪いことは悪いから」と答えた者の割合が最も多く、小学生では「保護者が悲しむから」の割合が三番目に高かったですが、この回答は中高になるにつれて割合が下がる傾向にあります。

一方、「みんながやると商売が成り立たなくなるから」は、学年が高くなるにつれ高くなっており、中高では三番目に高い回答となりました。これは、万引きの社会的影響を考えることができていると言えます。

回答が低かったものは、「つかまると損だから」と「ばれるとかっこ悪いから」であり、万引きしない理由を自己利益のためだとするものは少ないということがわかります。

 

万引をする理由~小学生は仲間外れにされるから・中高生はどきどきして楽しいから

「子どもが万引をする理由は何だと思いますか。ひとつだけ選んでください。」という設問です。

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小学生では、やらないと仲間外れにされるがトップ

「自分と同年齢の子どもがもし仮に万引をするとすれば、こういう理由でそうするのであろう」という推測に基づいて回答されていると考えられるため、本人が実際に万引したときの理由を示したものではありません。

「やらないと仲間外れにされるから」は小学生で最も高く、中、高と、学年が上がるにつれ順位が低くなっています。また、小中高生のいずれにおいても、男子よりも女子がこの回答を選ぶ傾向が顕著に高くなっています。

「どきどきして楽しいから」は、小学生で回答者の割合が二番目に高く、中学生と高校生では最も高いものとなりました。これは、万引する品物そのものが欲しいというよりは、ゲーム感覚あるいはストレス解消目的で万引をすると考えられます。

学年が上がるにつれ、この回答が増えるのは、比例して、ストレスを強く感じているといえるのかもしれません。

参考:「日ごろ、ストレスを感じていますか」という問いに「感じている」と答えた小学生(4 年生)は33.3%、中学生(1 年生)は55.1%、高校生(全日制1 年生)は65.4%(東京都教育委員会「平成19 年度 児童・生徒の健康に関するアンケート調査報告書」)

また、「みんながやっているから」と「それほど悪いことではないから」も、学年が上がるにつれて増加する傾向にあり、「万引は悪いことである」と知りながらも、「まわりの人がしていることは許される」「悪いことをしても大目に見られる場合もある」という甘い考えを持っていることが浮き彫りになっています。

万引に関する教育では、「みんながやっているわけではない」=「ほとんどの人はやっていない」、そして、「万引は犯罪である」という知識をしっかり教えることが重要だと思われます。
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