一戸建て住宅では、汚水や生活排水を流す下水管や水道管が道路に面して露出していることがあります。敷地の特性や工事の都合などさまざまな要因が考えられますが、とくに道路面との間に高低差のある土地で擁壁などが設けられている場合に、その擁壁に沿って配管されている事例が多いでしょう。
このような配管は美観上の問題だけでなく、購入を検討する際には、その状態をしっかりと確認することが大切です。いたずらされたり、車が衝突したりして損傷を受けるケースは少ないかもしれませんが、前面が狭い道路の場合には車同士のすれ違いのときに引っかかって破損することは十分に考えられるでしょう。とくにビニール管などの場合は破損しやすく、下水管が壊れればその修理が済むまでキッチンやトイレを使えないことにもなりかねません。
また、露出している配管は劣化も早くなります。断続的に排水が流れることによる振動で支持金具などによる固定部分が緩むこともあるでしょう。購入を検討する中古住宅の配管が露出しているときには、その防護対策の状況、劣化の状態などについてしっかりとチェックするとともに、可能であれば排水を流したときの様子も確認しておきたいものです。場合によっては、配管のやり直し工事を含めた検討をすることも必要です。
さらに、寒冷地などで水道管が露出しているときには、凍結対策がなされているかどうかにも注意しなければなりません。
注文住宅を建てるときなどに、間取りや建物のデザイン、構造などに気を取られ、配管には注意が向かないこともあるようです。工事が終わる頃になって配管が表に出ていることに気づき、「こんなはずじゃなかったのに……」という事例も少なくありません。建築の打ち合わせの段階で、配管の設置方法などについてもしっかりと確認しておくようにしましょう。
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