エアラインの個性が伝わるセキュリティビデオ
ニュージーランド人は、極めてフレンドリーな人々だと言われます。親切で明るくて笑顔がたえず、サービス精神旺盛で……。KIWI流と呼ばれる温かなおもてなし精神は、ニュージーランド航空が制作しているセキュリティビデオにもうかがえます。2009年6月、ニュージーランド航空が発表した動画「Nothing to Hide(隠すことは何もない)」は大変な話題となりました。すべての料金を込み込みの価格で表示しているわかりやすさをアピールする狙いで制作されたこの動画、なんど裸に制服のボディペイントをした客室乗務員が機内安全を解説するという、これまでのセキュリティビデオを常識を打ち破る演出だったのです(動画)。すでに7000万回以上も視聴されている動画に出演しているのは実在の乗務員たち。思わず目を奪われてしまいますよね。
大好評を博したこの動画に続き、ニュージーランド航空は次々にユニークな発想のセキュリティビデオを発表していきます。2012年11月には、映画「ロード・オブ・ザ・リング」のスピンオフ作品である映画「ホビット」の公開にちなんで、監督のピーター・ジャクソンや「ロード・オブ・ザ・リング」の主要キャラクターが登場する動画「Unexpected Briefing(思いがけないブリーフィング)」を発表しました。
2013年10月に制作された最新作のタイトルは「Old School Style(昔ながらの機内安全説明)」。80年代に人気を集めたアメリカのテレビ番組「ゴールデンガールズ」で知られる91歳の女優ベティ・ホワイトさんが登場して、アメリカのリタイアメントリゾートで暮らすお年寄りたちを前に、セキュリティに関する案内をするというストーリーはほのぼのとした仕上がりです。
このほか、ニュージーランドの英雄ともいえるオールブラックスが出演する動画「Crazy About Rugby」もあれば、世界的に有名な英国人冒険家ベア・グリルスを起用した動画「Bear Essentials」もあります。ニュージーランド航空が次にどんな動画を作るのか、楽しみにしているファンは私だけではないはず。動画をうまくPRに生かし、エアラインに親しみを覚えるファンを作った好例ではないでしょうか。
2011年に地震が発生して以来、ニュージーランドを訪れる日本人観光客は大きく減少してしまいましたが、ここ2年で少しずつ回復し、2013年3月には7万5000人にまで戻りました(ピーク時は17万人ほど)。
大自然の宝庫であるだけでなく、フレンドリーな人々、NZビーフやワイン、牡蠣や貝などシーフードにも恵まれ、若い人も楽しめるアトラクションもたくさん揃ったニュージーランド。2014年には、大阪や名古屋、仙台、松山、沖縄、広島、静岡などからのチャーター便が大幅に増加される予定とか。ニュージーランド航空を利用して、遊びに行ってみませんか。