漢検に出題される熟字訓と当て字
漢検の試験では、4級から1級までの各級で熟字訓と当て字が出題されます。「熟字訓」とは、漢字1字づつを音・訓では読まずまとめて訓読みする熟語です。もともとは和語(日本語)であったものを、その意味を持つ漢字で書き表しています。
当て字を楽しもう!
例.小豆(あずき)、明日(あす)、為替(かわせ)、従姉妹(いとこ)、黄昏(たそがれ)、海女(あま)
小という漢字は「あ」とは読みませんし、豆という漢字は「ずき」とは読みませんね。ただ、「あずき」という言葉は「小さい豆」の意味がありますから、その意味を成す漢字をそのまま用いています。
一方「当て字」とは、漢字の意味とは関係なく日本語に漢字の音・訓を当てた熟語です。また、外来語に音・訓または意味をもって漢字を当てた熟語も当て字となります。
例.矢鱈(やたら)、十露盤(そろばん)、亜米利加(アメリカ)、倶楽部(クラブ)、燐寸(マッチ)、麦酒(ビール)
十露盤の「十」は「そ」とは読みませんが、時計(とけい)や師走(しわす)のように本来の音訓では読めない語も当て字に含まれます。
熟字訓と当て字のどちらに当てはまるか、厳密に分ける必要はありません。漢検発行の辞典や市販の問題集でも、両方ごちゃまぜで載っています。
では、実際に漢検で出題される可能性のある熟字訓・当て字を挙げてみます。4級から準1級まで順番に読んでみましょう。
【4級】中学校在学程度
(1)土産 (2)大和 (3)時雨
【3級】中学校卒業程度
(1)乙女 (2)足袋 (3)雪崩
【準2級】高校在学程度
(1)硫黄 (2)相撲 (3)草履 (4)凸凹
【2級】高校卒業・大学・一般程度
(1)海女 (2)玄人 (3)祝詞 (4)寄席
【準1級】大学・一般程度
(1)竹篦 (2)胡蜂 (3)紙撚 (4)只管