一昔前は結婚式といえば型通りのフォーマルな装いで間違いなかったものが、式場のスタイルのバリエーションが増え、フォーマルであればOK、と一概には言えなくなっています。式場の雰囲気によっては、かっちり装うことで妙に浮いてしまう危険性も……。

現在は洋服のコーディネートでも「これで大丈夫?」と迷うくらいですから、着物ならなおさら心配になるかもしれません。着こなしという点ではハードルが上がってしまっているのも事実です。

今回はWebの着物レンタルショップ「Kuwashi Kimono Rental」の平山 昇さんに、結婚式の着物コーディネートのコツについてお聞きしました。


関係別のおすすめコーディネート

「着物1枚に帯3本」と昔から言われますが、これは帯を3本持っておけば1着の着物をいろいろに着られるということ。着物は帯で大きく印象を変えられるんです。手持ちの着物を帯を変えてシーンに合ったアレンジをするのも1つの手。新郎新婦との関係を想定し、平山さんにコーディネートのコツをお聞きしました。同じ着物を使ったコーディネート写真もご提供いただいたいので参考にしてくださいね。

●親族
親族向け

身内という立場にふさわしく、フォーマルに装うなら金糸・銀糸の入った格の高い帯を。

身内としてゲストをお迎えする側の立場なので、華かさはもちろんですが、フォーマルに装う必要があります。

「着物を着ると実年齢より年上に見られがちです。例えば新婦の妹さんだとしたら、30代でも可愛らしい雰囲気にするのがいいと思います。帯をお太鼓結びではなく華やかな変わり結びにするなど、バランスを取って着るといいですよ」と平山さん。見られたい年齢やイメージを設定して、コーディネートをするとよいのだそうです。髪型やメイクも重要ですね。独身ならなおさら大切なポイントになりそうです。



●会社・仕事関係
会社・仕事関係向け

シックな帯できちんとした雰囲気と華やかさを合わせ持った装いに。

少々堅い間柄と言ってもよいのが会社・仕事関係。控えめすぎず、華やか過ぎない、フォーマルに寄った装いを軸に考えるのがおすすめ。ゲストとして華を添える立場でもあるからです。

「上司として招待された場合、立場を崩さないようにシックに装いたいというご希望が多いです。粋な感じや落ち着きのあるコーディネートをおすすめしています」というのが平山さんのプロのコツ。同僚としてなら、次に挙げる友人の少し控えめな雰囲気でいいでしょう。



●友人
優人向け

帯と小物をやわらかい色でコーディネートして若々しく。華を添える役目も意識した装いに

まず花嫁衣装とかぶらないようにするのが絶対的な注意点。洋装も和装もこのポイントは同じです。着物の場合、形は変えようがないので色に注意を。花嫁の和装は赤・黒・白が基本色。最近はそのバリエーションも増えていますが、この王道カラーを着る場合はコーディネートで違いを強調しましょう。

「帯締めや伊達襟といった小物で、明らかに花嫁衣裳とは違うコーディネートにすることが大切です。お色直しがカラードレスの場合も、同じ色は避けるのが無難ですね。」と平山さんはおっしゃいます。


平山さんは「着物は振袖の印象が強いため、華やかなものというイメージが強いかもしれません。特にフォーマルの着物の場合はそう思っている方も多いと思います。しかし、派手ではない、落ち着いた佇まいの大人のフォーマルなコーディネートも可能なんです。そういったコーディネートをぜひ結婚式などの機会に楽しんでいただければと思います。ゲストとして新婦の引き立て役に回りつつ、ちょっと目立ちたいという女性の欲求も叶いやすいですよ。」とおっしゃっていました。確かに、よりおしゃれな印象になれるのは、そういった着こなしです。

おめでたい柄を着ることでお祝いの気持ちを示すのが着物の文化です。着れば自然とお祝いにふさわしい装いになれる、便利な衣装でもあるのですよね。

≫次ページでは、式場の雰囲気に合わせたコーディネートをお見せします。