トルコ/トルコ基本情報

トルコのエリアガイド(7ページ目)

トルコは地方によって全く別の顔を持っており、それぞれの魅力もまた異なります。ここでは、トルコをマルマラ海沿岸地方、エーゲ海沿岸地方、地中海沿岸地方、中央アナトリア地方、黒海沿岸地方、東アナトリア地方、南東アナトリア地方の七つの地域に分け、それぞれの特徴をお伝えします。トルコのどこに、どんな見どころ・楽しみどころがあるのかを知りたい方には必見です!

執筆者:安尾 亜紀

南東アナトリア地方 (ガージアンテップ、シャンルウルファ、マルディン)

南東トルコを流れるユーフラテス川の風景

南東トルコを流れるユーフラテス川の風景

南東アナトリア地方には、クルド系やアラビア系住民が多く住んでおり、トルコ語よりもクルド語やアラビア語の方が主流の地域もあるほどです。トルコの西半分に比べる と、まるで別の国のよう。トルコの秘境を旅したい人、ここなら間違いなく神秘的で土着的な旅行が楽しめるでしょう! 気候は、東アナトリアと違って冬はそれほど寒くないものの、夏の暑さと乾燥は激しく、旅をするなら春や秋がお勧め。この辺りも場所や時間帯によっては治安の悪い地域があるので、旅行計画は綿密に立て、安全な交通機関や場所を確保することが大切です。

ガージアンテップ
ガージアンテップのバクラヴァ店

特にバクラヴァと呼ばれるスイーツが有名(©bighaber.com)

ガージアンテップは南東部最大の都市で、トルコで一番料理がおいしい町! トルコ国内のケバブ料理店のほとんどが、このガージアンテップ出身者の経営だと言われています。おいしいトルコ料理を堪能するためだけにガージアンテップに行くのもアリ、と思えるほど、市内どのレストランに入っても外れがありません。

 
シャンルウルファ
ハランの家(シャンルウルファ)

ハランの家(シャンルウルファ)

シャンルウルファには、イスラム教の預言者イブラヒムの生誕の地があるため、多くの巡礼者が訪れます。見どころは、シャンルウルファから45キロ離れたハランという村。ハランには、日干しレンガを円錐状に積み重ねてでできたたまごのような独特の家がにょきにょきと建っています。近辺には遺跡もありますが、誰にも発掘されていない古代建築物の破片がゴロゴロとその辺に転がっている様は、別の意味で我々日本人には驚きです。

 

マルディン
マルディンの街並み

マルディンの街並み

マルディンは土色の岩山斜面に広がる石造りの家々が有名です。かつてはスリヤーニと呼ばれるシリア系クリスチャンが数多く住んでいたため、神学校、修道院、教会といった施設が多いところ。歴史的建造物の石彫や装飾には素晴らしいものが多く、カメラが手放せません! 近年トルコのドラマや映画の舞台になることがあり、トルコ国内からも観光客が多く訪れています。マルディン歴史地区は世界遺産の登録こそ受けていないものの、暫定リストには何度か名前が載っており、今後が期待されます。

 

ハサンケイフ(マルディン)

ハサンケイフ(マルディン)

マルディン近郊には、12世紀のアルトゥク朝の首都だった美しい遺跡都市、ハサンケイフがあります。ここは、もうすぐ水力発電を備えた巨大ダム建設計画により水の底に沈んでしまう可能性が高く、現在も反対運動がトルコ国内外で行われています。ダムに沈んでしまう前に、是非訪れておきたい重要遺跡です。


以上、広いトルコを七つのエリアに分けて、ざっと説明してみました。ヨーロッパ大陸とアジア大陸にまたがる広大な国土を持ち、地域によって全く異なる顔を持つトルコ。ぜひそれぞれの顔を楽しみながら旅を満喫してくださいね!
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