「ドコモのiPhone導入」と「メニュー偽装問題」
秋に明らかになった、NTTドコモによるアップル社製スマートフォンiPhoneの取り扱い開始は、従来最大のライバル商品を自社商品として扱うというまさに「戦略(Strategy)」の大転換でした。同社のこの「戦略」の転換は、これまでの国内携帯メーカーと一体での製品製造・販売体制を前提としたビジネス・モデルが根底から変更を求められるものでもありました。すなわち「7S」の「ハードの3S」における最重要要素である「戦略」の変更により、業務プロセスとしての「社内システム(System)」のみならず「7S」の各要素に今後大きな変化を及ぼしていくことになると思われます。携帯市場はドコモのiPhone導入で新たな局面に
晩秋の季節には一流ホテルや百貨店での「メニュー偽装問題」が発覚し、社会問題化しました。本欄でも取り上げましたが、この問題の根本は食材取り扱いあるいは対顧客姿勢に関する経営サイドの「価値観(Shared Value)」の不在に尽きると考えられます。すなわち、組織メネジメントにおける「価値観」の不在が、素材を偽ることに何の罪悪感も問題意識も生まれないような「組織風土(Style)」を産んでしまったと言えるのです。
問題が発覚した各ホテル、百貨店では一斉に粛清に動きましたが、この問題を「喉元過ぎれば…」にしないためには、経営が食材管理やサービスに関するしっかりとした「価値観」を提示し、全社員と共有していくための努力を継続することが重要です。「価値観」や「組織風土」といった「ソフトの4S」の浸透には、時間がかかります。「メニュー偽装問題」の本当の解決にはまだまだ時間が必要であると思われます。
今年も1年ありがとうございました。来年も引き続き「組織マネジメント・ガイド」をよろしくお願い申し上げます。