四季を身近に感じながらいただく深大寺そば
深大寺山門の向かい、立地としては角地なので同店の入り口は2方向あります。お土産販売のスペースも結構大きいですね。店内へと進むと、1階55席、2階100席と、宴会も十分可能なキャパを持っていることがわかります。秋の初めに訪れたこの日は、知人と2階のお座敷へと通されます。2階の窓際は眺めがよく、隣にある亀島弁財天池や周辺の木々、花々など、四季を感じることが可能です。「野草天ぷらセット」にも惹かれましたが、オーダーしたのは同店名物の1つ、「むさしの」(1700円)。メニュー表には“三味そば精進揚”の説明が付いています。
運ばれていたその姿、なかなかいいビジュアルです。3種のそばは、海苔となめこおろし、錦糸卵、山菜が載っています。そばは平打ち。ニンジン、シイタケ、ししとう等の野菜中心の天ぷらも揚げたてで登場。同店では、そば汁と天つゆは別のタイプですね。そば汁は辛くない甘めでしょうか。そばと天ぷらを交互に食べることで、いろいろ変化を楽しめます。
いわゆる“深大寺そば”のルーツは諸説ありますが、この土地が米作に向かず、そばの栽培を行ったこと。そして豊かな自然に囲まれた環境、湧水の存在がよく語られます。
この日は同店の後、深大寺周辺を散策し、近隣の温泉施設へと移動。都心部とは違うきれいな空気の中、ひとっ風呂浴びて帰りました。
休日は一品料理&お酒、そして蕎麦〆を
別の日に、今度は日曜日にランチはもちろんですが、“昼飲み”を兼ねて友人と伺います。今回は1階の離れのような空間の畳席に。窓際でこちらも池が間近に見渡せる席です。同店の特長の1つは、この趣きある深大寺のロケーションを感じる立地・構造が挙げられますね。桜や紅葉、年末年始など、窓越しの風景が、楽しい食事のいいアクセントになりそうです。この日の注文は、ご当地ビール「深大寺ビール」(550円)と、豊富に揃うおつまみ類から「にしん」(600円)をチョイス……お通しの山菜も含めてビールよりも、日本酒だったかなぁ……との思いがよぎり、即追加で熱燗もオーダー(笑)。
しばし休日ならではの昼飲みを楽しんだ後、「上天ざる」(1900円)を頼みます。飲んだ後のそば〆、お酒好きには堪らない流れでしょうか。
わずかな限られた時間で食を満たす都会の平日ランチとは違う、ゆったりとした時間の中でいただくお酒、そしてそば……晴天だったことも手伝って、優雅なランチタイムに。都下の“プチ旅行”にはぴったりハマる場所ですね。
太平の世が揺らぎ、倒幕へと向かう時代の空気の中、歩みを始めたそば店で、ランチはいかがでしょうか?
■元祖 嶋田家
・住所:東京都調布市深大寺元町5-12-10
・TEL:042-482-3578
・営業時間:10:00~17:00頃
・定休日:月曜日(※祝日の際は翌火曜日)
・地図:Yahoo! 地図情報