お餅を安全に食べるポイントは唾液をしっかり出すこと
消費者庁のリリースでは、食べる場合の注意として、次のように唾液等の水分が有効だとしています。餅の場合には、よくかむことで餅に唾液を十分混ぜることができ、飲み込みやすくなるとともに、喉に餅が張り付くことも防ぎます。朝は唾液の出が悪いので、食事の前に、口の準備体操となるよう、話をしたりすることもよいことです。また、いきなり餅を食べるのではなく、スープ等の滑らかなもので喉を潤してから食べることが、窒息を防ぐことに有効です。
他にも高齢者や幼児等の窒息事故を防ぐためのポイントとして、
- 食べる人の能力に応じて、一口で食べやすい大きさに切っておく
- 入れ歯などをちゃんと入れる
- 普段の食事以上によく噛むことを意識する
- 飲み込まないうちに、次のお餅を口に入れない
- 食べる時には、一人でいないように気をつける
新年を祝う神の依代(よりしろ)である鏡餅。そのお供えの御魂分けをいただくことにお雑煮の意味があります。
他のことに気をとられるとふとした拍子に飲み込んだりすることがあるので、食べることに集中し、急に上を向くなど姿勢をかえないことも大切です。
近年は、本来のお餅にうるち米粉やでんぷんを混ぜるなどして、粘りが少なくて噛み切りやすく、くっつきにくいタイプのお餅(キッセイ薬品工業「やわらか福もち」)等が市販され、現在介護食としても開発段階の食材もあります。お好みに応じて、使ってみてはいかがでしょうか。
過去の記事「喉に詰めやすい食品と注意点」では、他にも気になる食品について取りあげています。
もしも窒息してしまった際、詰まった食べ物を除去する応急手当法などは、こちらや下記の参考リンクをお読みください。
若い頃には思いもよらないことですが、年とともにむせやすくなります。高齢者ではないからと、他人事と思わずに、せっかくの御祝いの席で心配事なく、おいしいご馳走を家族みんなで楽しめるように、心にとめておきましょう。
■関連リンク
・喉に詰めやすい食品と注意点(食と健康)
■参考
・高齢者の餅による窒息事故に気を付けて!(消費者庁)
・窒息事故に気をつけて(東京消防庁)
・日本歯科医師会
・食品による窒息事故のリスク評価(食品安全委員会)
・キッセイ薬品工業