明暗分けたトヨタ、日産の中間決算

政権交代から1年、アベノミクス効果によって為替は円安傾向に振れ大手輸出産業は軒並み業績が好転しました。しかしながら、日本を代表する自動車産業大手2社の9月中間決算は明暗を分けています。今回は、脱円高とともに好調に転じたトヨタ自動車と思わぬ業績低迷に陥っている日産自動車を例に、短期「戦略」、長期「戦略」についてガイドします。

まずはじめに、「戦略」とは何か今一度復習します。「戦略」とは、目標と現状のギャップを埋めるための手立てです。企業組織は「目標=収益数字」を達成するために、「現状を打破する手立て=戦略」を練って数字を積み上げていきます。この「現状を打破する手立て=戦略」には大き分けてくふたつ、「出を減らす戦略」と「入りを増やす戦略」があります。

「出を減らす戦略」は支出を絞る手立てであり、比較的短期に効果の出る「戦略」が中心になります。「入りを増やす戦略」は売上を増加させる手立てであり、こちらは長期的な視点で練られるものが中心になります。もちろんそのどちらもが重要な存在であり、組織が危機に陥った時にはまず「出を減らす戦略」で窮地を脱し息を整えながら、「入りを増やす戦略」で徐々に回復カーブを作るというのが一般的な「戦略」バランスのあり方になります。

解説

円安下でも減益決算の日産自動車

さて我が国の自動車業界を見ますと、業界トップのトヨタ自動車は、円安の追い風を存分に受けての増収増益決算、中間期としては過去2番目の好決算を記録するほど目覚しい回復を見せました。一方2位の日産自動車はと言えば、同じ自動車産業でありながら円安の恩恵いずこという3年連続の営業減益決算となり、業界で“一人負け”と言われる状況になってしまったのです。この大手2社の好対照な決算数字、その背景には何があったのでしょうか。

次に上記の戦略的側面から分析してみます。