メイド・イン・ジャパンの展覧会
展覧会「メイド・イン・ジャパン南部鉄器 -伝統から現代まで、400年の歴史-」が、パナソニック 汐留ミュージアムで新年早々開催される。南部鉄器って、ご存知ですか?
そう、黒々と重みのある鉄瓶で有名ですね。
実は、鉄瓶や花器で有名な岩手南部鉄器がいま、静かに注目されているのです。
きっかけは、フランスやベルギーで海外輸出用の南部鉄器のカラフルなティーポットが選ばれたこと。
聖火台や陸橋など鉄を素材とする工業デザインを、暮らしの道具に展開した名作として、日本を代表するプロダクトデザイナー柳 宗理による南部鉄器のキッチンツールもあります。
僕も鉄器作家:岩清水さんの可愛い鉄瓶を愛用しています。
さて、南部鉄器の歴史は、
・・・・歴史的には、現在の岩手県北部を治めていた藩主南部家が、17世紀半ば、盛岡に築城してから街づくりや文化振興に努めるなかで、鋳物師や釜師を京都などから招き、仏具や兵具はもとより茶の湯釜をつくらせたのが興りです。
次第に各大名への贈り物として重宝され、特産品となりました。近代化の中で浮き沈みはありつつも、400年間以上研鑽を積み、奥州市水沢地区のもうひとつの鋳物のふるさととともに、1975年には国の「伝統的工芸品」の指定を受けました。
・・・・(引用:展覧会リーフレット)
この展覧会は、伝統的技法にこだわり、モノ作りに挑戦する南部鉄器の21世紀の新しい生活への提案を直接感じることが出来る内容です。
では、簡単に展示のみどころをご紹介します。
第1部 南部鉄器の歴史 その発展と逆境
南部鉄器の「南部」は盛岡藩主南部氏に由来します。その名の通り歴代藩主の庇護のもとに育まれました。藩の鋳物の御用は、お抱え鋳物師(いもじ)の有坂家、鈴木家、藤田家、釜師の小泉家の4家が支えてました。明治時代には、第一回内国博覧会(1877年)、米国シカゴ万博博覧会(1893年)など、国内外で紹介され好評を博しています。また「中興の祖」と仰がれる松橋宗明が1914年より所長を務めた南部鋳金研究所は色彩着色や蝋型による成形を導入するなど技術的発展に貢献しました。1930年代にはドイツの建築家ブルーノ・タウトが8代小泉仁左衛門の≪亀甲形鉄瓶≫をその著書(『日本文化私観』)のなかで賞賛しています。 この最初のセクションでは、江戸時代から明治、大正、そして昭和までの南部鉄器を時代を追って検証します。(引用:展覧会リーフレット)第2部 南部鉄器の模索・挑戦といま
戦後あらたなるデザインに活路を見出して復興した各工房発の南部鉄器を紹介します。盛岡からは、110年の伝統を守りつつ海外に南部鉄器を広めた岩鋳(いわちゅう)、現代的なフォルムの作品で知られる「空間鋳造」(岩清水久生)、北欧デザインやアーティストとのコラボレーションを通じてモダンな作風が評価される「釜定(かまさだ)工房」、日本最古の手動のふいごが工房に残る老舗、「鈴木主善堂」、女性釜師、熊谷志衣子が活躍する「鈴木盛久(もりひさ)工房」、平たい底面を持つ革新的なユニバーサルシリーズを制作する「薫山(くんざん)工房」、木型の改良により多角形の鉄瓶を開発した「虎山(こざん)工房」の各作品を紹介します。(引用:展覧会リーフレット)第3部 現代の生活における南部鉄器
いまなぜ、南部鉄器が人気をよんでいるのか――現代生活に溶け込みつつ、あらたな美を創造している南部鉄器と、第一線のクリエイターが手がける空間との対話をご覧いただけます。下記の4つの空間演出をお楽しみいただけます。. 1)柳宗理のコーナー:柳宗理が2003年に発表した南部鉄器のキッチンウエアに、家具屋テーブルウエアをコーディネイトし、キッチンとダイニングをイメージした空間を演出。
. 2)内田繁氏による茶室≪行庵≫1993年は茶会が終わると折り畳まれてしまえる茶室というコンセプトで制作されました。竹の乱れ張りによる壁面を通して木漏れ日のように光が落ちる空間のなかに南部鉄器を中心とした道具立てを紹介。
. 3)フランスのティー・サロンをイメージし、カラフルな南部鉄器のポットを中心としたしつらえを紹介。
. 4)料理スタイリストの堀井和子氏によるテーブルコーディネイト。岩手や秋田で制作された漆器、ガラス工芸、型染めなど、堀井氏の美意識で選ばれた北東北の手仕事と南部鉄器とのコーディネイト。(引用:展覧会リーフレット)
展覧会イベント情報
最後に展覧会開催中のイベントをお知らせします。■展覧会記念講演会【南部鉄器のいま】
出演:内田繁(インテリアデザイナー)、宮 伸穂(釜定工房三代目)
日時:2014年2月11日(火祝日)13:30~ 14:30(開演13:00)/パナソニック電工東京本社ビル5階ホール/要予約(定員150名)
■遠野のお話し会【ふるさとことばは心をつなぐ】
出演:細越雅子(遠野の語り部)
日時:2014年2月15日(土)13:30~ 15:30(開演13:00)/パナソニック電工東京本社ビル5階ホール/要予約(定員150名)
●申込方法
ハローダイヤル 03-5777-8600でお申込ください。
受付期間開始は2013年12月1日。受付は先着順、定員になり次第締切とさせいてだきます。(受付時間8:00~22:00)
■当館学芸員によるギャラリートーク
当館学芸員が展示内容を解説します(申込不要)
2014年1月17日(金)、2月1日(土)、3月7日(金)
各回午後2時より(約30分) 参加費無料(入館には展覧会観覧券が必要です)
当日展示室にお集まり下さい。
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■今回の関連リンク
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・〆切:12月30日
・発表:チケット発送をもって代えさせて頂きます。
→汐留ミュージアム
→ その道のプロのルーツを探る
「ファニチャー」ガイド石川尚
ーガイドの原点ー
■ メイド・イン・ジャパン南部鉄器 -伝統から現代まで、400年の歴史-
■会期 2014年1月11日(土)~3月23日(日)
■開館時間 10:00~18:00(ご入館は17:30まで)
休館日 毎週水曜日
■会場 汐留ミュージアム(アクセス)
■ 入場料
一般:700円 大学生:500円 中・高校生:200円 小学生以下:無料
65歳以上の方で年齢のわかるもの提示:600円
20名以上の団体:各100円引(65歳以上は除く)
障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで:無料
※ 取材協力:汐留ミュージアム
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