中世が香る「黄金の街」プラハ歴史地区
プラハは喜びの街だ。古都にもいろいろがあるが、プラハほど喜びに満たされた街を、私は知らない。喜べる街と喜べない街。この差はおそらく芸術にある。人々が自由に満たされるとき、自由=無目的はアートになる。自由がなくなるとき、すべてが目的に満たされて、人の行為は仕事になる。アートが咲き乱れる自由の街、プラハ。今回は1,000年の歴史を誇るチェコの世界遺産「プラハ歴史地区」をご案内しよう。
「黄金の街」プラハをお散歩しよう!
橋塔から見たマラー・ストラナとフラッチャニ地区。中世の街並みがそのまま残っている。左下がカレル橋で右上がプラハ城 ©牧哲雄
フラッチャニと呼ばれる丘の上からプラハを見下ろすプラハ城。ペトシーン公園展望塔からの眺望
プラハは語ることがあまりに多い。しかし、プラハの本当の価値は、語ることなんかにはない。フランツ・カフカはプラハをブラブラ歩きながら、作品の構想を練った。当時、彼にとって価値あることは、テキストと、プラハだった。彼らの思い出や物語を追って街を歩くのも一興だが、彼らが愛したプラハの空気にこそ、本当の価値がある。
とてもキュートなプラハ城内の黄金小路。青い建物がカフカが仕事場としていた家
実際、旧市街広場の近くにある火薬塔からプラハ城までを「王の道」と呼び、ここに文化財が集まっている。