さて、前置きはここまでにして、早速、その変化を見ていきましょう。
SK-II MENの登場
SK-II MEN フェイシャル トリートメント エッセンス 75ml 6400円、150ml 1万2400円
ここで注目したいのはピテラという成分で、女性に圧倒的な人気を誇るブランドから、男性用のシリーズが出たということです。厳密に言うと、SK-IIにはその昔、男性ラインはあったそうなのですが、ここまで本格的に売り出したのは今回が初めて。そこまで、男性のコスメに対する意識が高まったということですし、また、プレステージブランドのメーカーとしても男性消費者を積極的に取り込みたいと思っている表れといってよいでしょう。
アラミスの幅広い展開
アラミス ラボ シリーズ マックス LS チャージ ウオーター 200ml 7350円
こちらは7350円もする高価なアイテムですが、既存のセラムやクリームの使用者から熱烈に歓迎されています。このような高機能ローションを必要とするほど、スキンケア意識の高い男性が増えたという証でしょう。
ラボ シリーズ プロ LS フェース トリートメント 50ml 3990円
これはテカリを抑えるオールインワンのアイテムで、手軽さだけでなく、3990円と低価格なのも特徴。さらに販売ルートも百貨店の他、クオミストなどのバラエティショップでも流通させることで若い人の目にも触れやすくしているのはすごいことです。
ラボ シリーズ エイジ R+ 50ml 7035円
このほかにも顔色の補正にフォーカスした「インスタント スキン ブースター」など意欲的なアイテムを市場にどんどん投入する姿勢は瞠目すべきものです。既存の売れ筋の商品を深く掘り下げ、一方で裾野を広げる努力をするアラミスは、垂直・水平の両方向で拡大しているといってもよいでしょう。
スカルプDの挑戦
スカルプD <左>フェイスウォッシュ 100g 1780円 <右>フェイスローション 150ml 1960円
そんなブランドが作ったフェイスケアアイテムは、王道の洗顔料と男性でも使いやすいローションの2つ。しかし、特徴的なのは、どちらとも「乾燥肌用」「脂性肌用」の2種類を揃えていることです。これは、シャンプーと同じ構成で、肌質によるケアの違いを男性に認識させたいという同社の姿勢です。
スカルプDは、シャンプーのイメージが強いのですが、実は女性用のまつげ美容液などでもヒットを飛ばしており、スキンケアの領域にも踏み込んできています。今後も目が離せない存在と言えます。
次のページでは、男性コスメの新たな潮流について分析をしてみます。