テラス・バルコニー・ベランダ/テラス・ウッドデッキの基礎知識・リフォーム

サンルーム商品の特徴&選び方のポイント

もうひとつのリビングとして、洗濯物干し場として人気のサンルーム。さまざまなプランニングが考えられますが、エクステリアメーカーからは、豊富な商品バリエーションが提案されています。ここでは、広さや扉、床材や屋根材など、選ぶ前に知っておきたいサンルーム商品の特徴と選び方をまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

豊富な商品バリエーションが揃うサンルーム

サンルームとは、屋根や壁、扉などをガラス張りにして、自然光を多く取り入れることができるようにした部屋のこと。日本の住まいでよくみられるのは、リビングなどの掃き出し窓に、エクステリアメーカーの外部空間商品(サンルームや囲いスペースなど)をつなげ、設置するスタイル。リフォームで取り入れるケースも多くみられる空間でしょう。メーカーからは、さまざま外部空間商品が提案されており、設置目的や外観デザインなどに合わせて選ぶことが可能です。

ナチュラルな木調を用いたデザイン。デッキと合わせて居心地のよい空間を実現。[サンフィール3 テラス囲い 木調ガーデンルームタイプ リウッドデッキ納まり フラット型 屋根ふき材:ポリカ (トーメイマット) H2 W7]undefined YKK AP http://www.ykkap.co.jp/

ナチュラルな木調を用いたデザイン。デッキと合わせて居心地のよい空間を実現。[サンフィール3 テラス囲い 木調ガーデンルームタイプ リウッドデッキ納まり フラット型 屋根ふき材:ポリカ (トーメイマット) H2 W7]  YKK AP
 

居心地の良さを追求したタイプと家事効率を高めるタイプ

一般的に、エクステリアメーカーの外部空間商品には、サンルームやガーデンルーム、囲いスペースなど呼ばれるものが揃っていますが、使用目的によって、大きくふたつのタイプに分けることができるでしょう。ひとつは、気密性や水密性などを高め、居室のように居心地の良さを追求したタイプ、もうひとつは、洗濯物や布団を干す場とするなど家事効率を高めるタイプです。

サンルームやガーデンルームなどと呼ばれるタイプは、快適さを追求したものが多くみられ、構造や開口部、内装などさまざまなバリエーションが揃っています。囲いスペースやテラス囲いと呼ばれるものは、サンルームよりも比較的、簡易な構造のものを指す場合が多いようです。

洗濯物が早く乾くような窓を設けた囲いスペース。設置する目的を明確にしてプランニングを。[サニージュundefined囲い納まり、Fタイプ2間6尺]undefined LIXILundefinedhttp://www.lixil.co.jp/

洗濯物が早く乾くような窓を設けた囲いスペース。設置する目的を明確にしてプランニングを。[サニージュ 囲い納まり、Fタイプ2間6尺]  LIXIL


メーカー商品の特徴と最新傾向

■デザイン・カラー  モダンタイプやトラディショナルタイプも
居心地のよさを追求したサンルームは、デザインやカラーバリエーションも豊富で、さまざまな外観デザインに合わせて取り入れることが可能。従来よりみられる、トラディショナルなタイプだけでなく、最近ではシンプルですっきりとしたタイプも豊富に揃っています。

構造体のカラーは、ブラックやシルバー、ホワイト、ナチュラルな木目調など。窓サッシや他のエクステリア商品などとコーディネートすることもできるでしょう。

囲いスペースやテラス囲いは、シンプルなデザインが主流。どんな外観にも馴染むようなオーソドックスなタイプが多く、シルバーやホワイト、ブラックなどのカラ―がみられます。

■広さ  敷地条件に適するさまざまなサイズが揃う
広さは、敷地条件に対応できるように、さまざまな大きさが揃っています。メーカーや商品にもよりますが、たとえば、間口は1.5、2、2.5、3間(2730、3640、2730、5460ミリ)程度、出幅が6、8、10尺(1800、2400、3000ミリ)程度のサイズバリエーションがあります。

たとえば、間口が2間で出幅が6尺であれば4畳ぐらいの広さとなるので、設置する窓の大きさ、敷地の広さ、使用目的に合わせてプランニングするようにしましょう。

■開口部  大きな開口部を確保できるタイプ、腰壁タイプも
サンルームは開口部のつくりによって、空間の印象も使い勝手も異なります。多くみられるのが、折れ戸パネルなどを用いて、前面と側面をすべて開放できるスタイル。開放的でどこからも出入りが可能で、庭との一体感も生まれるでしょう。

また、側面に壁を設けたり、側面だけから出入りができるようなプランも考えられますし、腰壁を設けて上部のみを開口できるようにすることで、部屋のような空間とすることも。サンルームの使用目的や空間イメージを明確にして検討することが大切です。

■扉材  多くみられるのは折れ戸パネル
夏場の利用を考えると、網戸の設置を検討しておきたい。 [エクシオールジーマundefined収納網戸] undefinedLIXILundefinedhttp://www.lixil.co.jp/

夏場の利用を考えると、網戸の設置を検討しておきたい。 [エクシオールジーマ 収納網戸]  LIXIL

商品によっても違いがありますが、サンルームに用いられるケースが多いのは折れ戸パネル。折れ戸パネルは、サンルームスペースの前面や側面ごとに開閉することができるもの、折れ戸がすべてまとまり、全開放できるタイプもあります。

折れ戸パネルのスタイルには、いくつかの種類があり、たとえば、すべてガラスを用いたタイプ、上部のみガラスで下部はパネルとなっているものなど。また、内と外のカラーが異なるタイプもあるので、外観やインテリアデザインに合わせて選ぶことが可能でしょう。オプションで、網戸や換気パネル、スクリーンやシェードなどを設けることも可能。すっきりと納まるプリーツ状の網戸などもみられます。

■床仕様  土間仕様やデッキ仕様
床部分の仕様も快適さや使い勝手を左右する重要なアイテム。商品的には土間仕様のタイプと、デッキ(パネル)、フローリングなどと組み合わせるタイプに分けることができます。

土間仕様のものは、床材としてタイルなどを施工するケースもみられ、テラスと同素材のタイルを使用することで、広がりを持たせることも。デッキの床とするプランは、室内空間から連続性を持たせることが可能。最近では、フローリングを取り入れることができる商品もみられます。サンルームにつながる居室の床材と色味を揃えることで、空間的な一体感も演出できるでしょう。

出入り口を大きく設けた明るい空間。日差しの遮り方などにも配慮したい。[サンフィール3 テラス囲い スタンダードタイプ リウッドデッキ納まり フラット型 屋根ふき材:ポリカ (トーメイマット) 側面ユニット折りたたみ戸:側面 YW]undefinedundefinedYKK AP http://www.ykkap.co.jp/

出入り口を大きく設けた明るい空間。日差しの遮り方などにも配慮したい。[サンフィール3 テラス囲い スタンダードタイプ リウッドデッキ納まり フラット型 屋根ふき材:ポリカ (トーメイマット) 側面ユニット折りたたみ戸:側面 YW]  YKK AP 

■屋根材  主な素材はポリカーボネート。日射しを遮る工夫も
屋根の主な素材は、ポリカーボネート。クリアな透明なタイプやすりガラス調などもありますし、特殊なコーティングによって、熱による室内温度の上昇を防ぐ熱線吸収タイプもみられます。

夏場の暑さに配慮して、内部天井に設置する日除けもオプションも揃っています。専用の棒などを用いて開閉するもので、数種類の色もあるので、インテリアに合わせて選ぶことが可能でしょう。

また、サンルームとは少し異なりますが、居室のような天井を持つ外部空間商品もみられます。上からの明るさはありませんが、開放的な屋外空間を生み出すことができるものです。

サンルームとは少し異なりますが、天井が軒となっているタイプ。より居室に近いプランニングが可能に。[エクシオールジーマ] LIXILundefinedhttp://www.lixil.co.jp/

サンルームとは少し異なりますが、天井が軒となっているタイプ。より居室に近いプランニングが可能に。[エクシオールジーマ]  LIXIL

■換気   ルーバー窓や通風窓も設置可能
より快適な空間とするために、換気対策を施した商品も多くみられます。換気窓の設置が可能なタイプ、通風格子窓やルーバーを取り入れることができるもの、パネルの窓部分が上下にスライドすることでパネルを閉めたままでも通風可能なタイプもあります。家族で快適に過ごすためにはもちろん、ペットの居場所としたい場合などでは、配慮しておきたいポイントでしょう。

■洗濯アイテム  物干し竿掛けやハンガーなども揃う
洗濯物干し場としてのニーズも多いサンルームや囲いスペースは、洗濯物干し掛けのオプションアイテムも揃っています。可動式の竿掛けやクリーンハンガー、物干し棚など、使い勝手に配慮したものもみられます。また、洗濯物が乾きやすくするために、風を効率よく取り込むことができる窓を取り入れることができる商品もあるので、洗濯のスタイルに合わせて取り入れるようにしましょう。

ショールームで確認を。どのように使用するのかイメージして

サンルームを選ぶ際には、できるだけ実際の商品を確認すること。エクステリア商品のショールームは多くはありませんが、近くにある場合は積極的に活用することをおすすめします。空間ボリュームなどを体感し、扉やスクリーンなどは実際に開閉操作をしてみること。また、ホームセンターなどでも扱っている場合もあるので、日頃からチェックを。実際にどのような使い方をするのか、イメージしながら選ぶようにしましょう。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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