テラス・バルコニー・ベランダ/テラス・ウッドデッキの基礎知識・リフォーム

テラス屋根の種類と特徴&選び方のポイント

庭にテラスを設けた住まいは多くみられます。快適さや使い勝手を高めるために屋根を設置するケースも。バルコニーに設置するパターンもあるでしょう。ここでは、テラス屋根の種類や特徴、選び方のポイントをまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

テラスの用途は様々。目的に応じて屋根の設置も

テラス屋根の種類と特徴&選び方のポイント

木組み感の趣があるパーゴラタイプ。垂木の先端を斜めにカットし、洋風のカジュアルさを演出。[木調テラス屋根・木調バルコニー屋根 サザンテラス パーゴラタイプ]   YKK AP

新築やリフォームの際に、庭にテラスを設けるプランも多くみられます。テラスとは、土地の一部を盛り上げ、平らにした部分のこと。石やタイル、コンクリートを敷き詰めたプランなどがあり、アウトドアを楽しむ空間としたり、洗濯物干し場として利用することも。ペットの居場所としても使い勝手がいいでしょう。

使用する目的によっては、屋根を設置するケースもみられます。造作で施工することもできますが、多くプランニングされるのはエクステリアメーカーの建材商品。豊富な商品バリエーションが揃っており、さまざまなデザインの住まいに設置することが可能です。
 
   

テラス屋根を設けるメリット

敷地条件やプランニングにもよりますが、テラス屋根を設けるメリットは、雨や日差しを防ぐことができるため、テラススペースの使い勝手や居心地の良さが高まることでしょう。

リビングやダイニングなどの掃き出し窓につなげて設置されるケースの多いテラスは、お茶を飲んだりガーデニングを楽しむスペースとして利用されるもの。テラス屋根を設けることで、強い日差しを遮り心地よさもアップしますし、洗濯物干し場として使用したり、ペットの遊び場とするのであれば、急な雨でも安心です。デザインにもよりますが、外観デザインのポイントとなる場合もあるでしょう。また、勝手口まわりに設けることで、ゴミの一時保管などバックヤード的な使い方ができるでしょう。
 

テラス屋根の種類と形状……固定タイプと独立タイプ・フラットやアール型

メーカー商品としてのテラス屋根は、基本的には柱と屋根材で構成されているもの。建物本体の外壁に固定するタイプと、建物本体に固定しないで柱だけで支える、独立(自立)タイプがあります。独立タイプは、建物本体の構造や性能上、外壁に後付けできないケースなどで用いられるタイプです。柱の材質はアルミ形材が多く用いられています。
建物外壁に穴を空けることなく設置できるため、さまざまな躯体条件に対応できる。[独立テラス屋根 エフルージュグラン ZERO 標準柱 フラット型 H2 トーメイマット]undefinedYKK AP http://www.ykkap.co.jp/

建物外壁に穴を空けることなく設置できるため、さまざまな躯体条件に対応できる。[独立テラス屋根 エフルージュグラン ZERO 標準柱 フラット型 H2 トーメイマット] YKK AP

シンプルなデザインがほとんどですが、屋根の形状によって、平面のフラットなタイプとカーブを持たせたりアール型のタイプに分けることもできるでしょう。すっきりした平面のタイプは、どんな外観デザインにも合わせやすいもの。カーブを持つタイプは、平面的なタイプに比べて雨や風が吹き込みにくい、という特徴があります。

商品としては、サイズは豊富に揃い、幅は、1間(約180センチ)から3間程度、多くの商品は連結させることが可能。出幅は、2尺(1尺:約30センチ)から10尺程度、より大きなタイプの提案もみられます。洗濯物を干すことができる物干し金具、外部からの視線や風雨の吹込みを防ぐためのパネルなどのオプションを用意した商品も揃っています。
 

性能が高く、カラーも揃うテラス屋根材

テラス屋根の素材に多く用いられているポリカーボネートは、衝撃に強く、軽量。紫外線を通さず、光をほどよくカットすることも特徴です。また、熱線吸収ポリカーボネートは、室内を明るく保ちながら、熱エネルギーをカットし、温度の上昇を抑えるもの。防汚機能を持ったタイプもあります。その他、防火地域に使用できる、熱線遮断FRP板が用意された商品もみられます。
木目調のすっきりとしたデザインは、どんな外観デザインにも合わせやすい。 [シュエットundefinedクリエペール]undefined LIXILundefinedhttp://www.lixil.co.jp/

木目調のすっきりとしたデザインは、どんな外観デザインにも合わせやすい。 [シュエット クリエペール]  LIXIL

屋根材の色は、ブルーやブラウンなど、薄く色のあるタイプなども揃っているので、光の入り方や外観のイメージなどに合わせて選ぶようにしましょう。支える柱の色は、ブラックやグレー、ホワイト、ブラウン系の木調色など。基本的に、柱は建物に用いているサッシやベランダなどの色と揃えると、外観とも馴染むでしょう。
 

強風や突風、大雪など、地域性に考慮して選ぶ

選ぶ際に気を付けたいのは、耐雪性や耐風性。雪に対しては、一般地域用、積雪地域用、多積雪地域用などを揃えた商品も多くみられます。実際には、設計担当者から適する商品を提案されることになりますが、設置する地域性にあったタイプかどうかの確認を忘れずに。積雪量や季節によって、雪を落としやすいように、屋根角度が調整できるオプションなど、工夫を施した商品なども提案されています。
年間平均積雪量100センチの雪が多い地域でも利用できる。 [ヴェクター シリーズ共通仕様 多雪地域対応] undefined YKK AP http://www.ykkap.co.jp/

年間平均積雪量100センチの雪が多い地域でも利用できる。 [ヴェクター シリーズ共通仕様 多雪地域対応]   YKK AP

また、異常気象とも言えるような気候が続く昨今では、強風や突風への対策も充分に配慮しておきたいものです。メーカー商品には、屋根のピッチ間隔を短くしたり、パネルを厚くするなどして、屋根パネルが抜けにくく、強風や突風にも耐えることができるようタイプもみられるので、耐雪と合わせて、確認しておくようにしましょう。
 

バルコニーに設置する屋根商品も

テラス屋根商品は、1階だけでなく、2階以上のバルコニーに設置できるタイプ(バルコニー屋根)も揃っています。上層階は、風が強い場合も多いので、選ぶ際にはサイズや強度など、充分に配慮すること。設置する環境(風向きや積雪)に適した強度を持つ商品かどうか、担当者に確認することも大切でしょう。
柱のないすっきりとしたデザインが特徴。1階~3階に設置可能。[テラスundefinedスピーネundefinedF型undefinedルーフタイプundefinedシャイングレー]undefinedLIXILundefinedhttp://www.lixil.co.jp/

柱のないすっきりとしたデザインが特徴。1階~3階に設置可能。[テラス スピーネ F型 ルーフタイプ シャイングレー] LIXIL

テラス屋根は、新築で設置するケースもありますが、暮らし始めてから、リフォームで取り入れるケースも多い建材商品のひとつ。それだけに、設置する必要性や目的も明確なわけですから、施工会社に要望を説明し、適した商品を提案してもらうことがポイントです。性能面やアフターメンテナンスなどに関しては、事前にしっかりと確認しておくようにしましょう。

また、エクステリア建材のショールームは多くはありませんが、可能であれば、実際に大きさやデザイン、屋根材の素材などを確認した上で、選ぶことをおすすめします。


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