「寒中」を待たず、すぐにお悔やみ「喪中見舞い」
寒中見舞いとして、正月明けにはがきを出そうとうすろとついつい忘れてしまった、とならないように「喪中見舞い」
最近は葬儀がシンプル化し、家族だけで行う「家族葬」や火葬のみですませてしまう「直葬(ちょくそう)」という形が多くなりました。そのため年賀欠礼状、つまり喪中はがきを受け取って、はじめて訃報を知る人も多くなっています。そういった場合、どのように対処したらよいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
最近では喪中はがきをいただいたら、「寒中」をまたず、すぐに返事を書くことができるよう「喪中見舞い」という新しい風習が誕生しています。
<目次>
喪中見舞いとは
一般的には、喪中はがきが届いたら、年賀状を控えるかわりに、正月明け「松の内」を過ぎたあたりで「寒中見舞い」としてお悔やみの気持ちを伝えるとされています。しかし年が明けるのを待つより、訃報を知った時点で、一刻も早くお悔やみ申し上げたいと思う人も多いはず。こうした声を受けて、最近では喪中はがきをいただいたらすぐに返事を書くことができるよう「喪中見舞い」という新しい風習が誕生しています。基本的に「喪中見舞い」は、喪中の方に対しての心遣いをはがきに託して送るもの。近年誕生した造語なので、決まり事はありませんが、相手が喪中であるためお祝いムードを避け、シンプルにまとめます。すぐにお送りすることができますが、年が明けても送ることができます。
なお、親しい間柄なら年賀欠礼をメールでお知らせする人も、近年少しずつ増えています。そういった場合は同じくメールで返信しても良いですが、目上の人の場合ははがきも併用したほうが失礼になりません。
寒中見舞いに香典を送っても良い?
年賀欠礼のはがきで訃報を初めて知った場合、お付き合いの度合いにもよりますが、手紙を添えてお香典を郵送しても大丈夫です。ただ、このタイミングで現金を包むと、かえって遺族の負担になってしまうこともありますから、仏壇や墓前にお供えできる花、線香、ロウソクのようなものを送っても良いでしょう。喪中見舞いにおすすめの商品……お線香
喪中見舞いには、初春をイメージするお線香が人気です。※アマゾンから直接発送する場合は、挨拶状が付きませんのでご注意ください。
喪中見舞いにおすすめの線香以外の商品……ロウソク
ロウソクは宗旨・宗派問わず送ることができる進物商品です。素敵な絵が描かれている和ロウソクはいかがでしょう。喪中見舞いの文例・書き方
喪中見舞いは、型どおりの文章よりも、相手を思いやる気持ちをさりげなく盛り込むのがポイントです。基本的には次のような順番で書いていくと間違いありませんが、すべてを入れる必要はありません。- 前文挨拶
- 喪中はがきをいただいた御礼
- 訃報をはじめて知った場合は、ご不幸を知らずにいたお詫び
- 家族が寂しい新年を迎えることへの配慮
- こちらからも年賀状をお送りすることを控える
デザインは白黒でなくてもカラーでかまいませんが、初詣や干支など正月をイメージする写真は避けたほうがいいでしょう。受け取る側のことを考えて、失礼にならない程度の写真を入れることはOKです。
喪中見舞いはがきだけ送る場合の文例
<文例1>このたびは○○様がご逝去との由を承り、驚いております。ご家族の皆様はお寂しくご越年のこととお察し申しあげます。平素ご無沙汰をしておりますばかりに、○○様のご逝去の報に接し誠に驚いております。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。時節柄、どうぞ御身大切にお過ごしください。
<文例2>
このたびは○○様がご逝去との由を承り、驚いております。
生前大変お世話になりながら、お礼のひとつもできずにお別れすることになってしまい、残念でなりません。
ご家族の皆様はお寂しくご越年のこととお察し申しあげますが、先日○○さんからいただいたメールによりますと、皆様お元気そうなご様子、何よりのことと思っております。
風邪が流行っているようでございますが、どうかご自愛ください。
喪中見舞いにお悔やみの品を一緒に送る場合の文例
<文例1>ご訃報に接し、心から哀悼の意を表します。
心ばかりではございますが、○○をお送りいたします。お供えいただければ幸いに存じます。
<文例2>
このたびはご丁重なご挨拶をいただき、ありがとうございます。
服喪中と存じ、年頭のご挨拶を控えさせていただきます。皆様さぞお寂しい想いにて、ご越年のこととお察し申し上げます。心ばかりのものでございますが、同封のお線香をお供えくださいますれば幸いです。
寒さ厳しき折から、ご一同様ご自愛あそばされますよう、心より祈り上げます。
<文例3>
年賀欠礼のお知らせをいただき、家族一同大変驚いております。 遅ればせながら、謹んでご冥福をお祈り申し上げますと共に、心ばかりのお線香を送らせていただきます。ご家族様には、どうかおだやかな新春を迎えられますよう、心からお祈り申し上げます。
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