学問の神様、荏柄天神社へ
次は、荏柄天神社(えがらてんじんじゃ)へ行ってみましょう。鎌倉駅東口から「大塔宮(だいとうのみや)」行きバスに乗り、終点の一つ手前の「天神前」バス停で下車します。こちらの神社は天神様ですから、ご祭神は、学問の神様・菅原道真(すがわらのみちざね)公。受験シーズンともなると、合格祈願の受験生でにぎわいます。
荏柄天神の紅白の梅
道真公は梅を好み、
東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな
という有名な和歌も残しています。
九州の太宰府天満宮はもちろん、京都の北野天満宮など、天神様(道真公)をおまつりする神社は梅の名所になっていることが多いですが、荏柄天神社の梅もなかなかのもの。
筆供養
毎年1月25日、荏柄天神社では、古筆や鉛筆を燃やし、学力の向上と文字の上達を祈願する『筆供養』という行事が行われますが、この頃になると、朱色の社殿の両脇に植えられた紅白の梅が咲いています。
<DATA>
■荏柄天神社
住所:鎌倉市二階堂74
アクセス:鎌倉駅東口よりバス「大塔宮」行きに乗り「天神前」下車、徒歩1分
地図 / 境内自由・拝観料なし
鎌倉の「花の寺」瑞泉寺へ
「天神前」バス停に戻り、バス通りを少し歩くと、正面に鎌倉宮(大塔宮)の鳥居が見えてきます。鎌倉宮の鳥居の前から、右の方へ細道を道なりに10分ほど歩いて行くと、瑞泉寺があります。瑞泉寺は、周囲を低い山に囲まれた、とても趣深いお寺。瑞泉寺の本堂と梅
春夏秋冬、いつ来ても花が咲いていることから、鎌倉の「花の寺」ともいわれる瑞泉寺ですが、特におすすめなのが早春の梅。
山門入ってすぐ左手の梅園と、石段を登った先の高台にある本堂前の2ヶ所に、たくさんの梅が花を咲かせます。
瑞泉寺、本堂前の梅
瑞泉寺を創建したのは、鎌倉時代後期から室町時代初期にかけて活躍した禅僧の夢窓疎石(むそうそせき 1275~1351)。
夢窓疎石は、京都の西芳寺(苔寺)や天龍寺の庭園を造ったことで知られていますが、瑞泉寺の本堂裏手の石庭も彼の手によるものです。
瑞泉寺の石庭と猫
冬場にこの庭を訪れると、水辺に水仙が咲いていて、ときおり、猫がひなたぼっこをしています。国指定名勝ですが、なんとものどかな雰囲気が、山寺っぽくて良いですね。
<DATA>
■瑞泉寺
住所:鎌倉市二階堂710
アクセス:鎌倉駅東口よりバス「大塔宮」行きに乗り終点「大塔宮」下車、徒歩10分
地図 / 拝観案内